立体的な道路地図を作成する-3Dレーザースキャナによる測量技術の活用-
交通システム工学科
近年、電子機器の高性能化、データ処理の解析技術の向上によって、地形や地物を3次元で計測する技術が活発に利用されるようになりました。測量分野においても、3Dレーザースキャナと呼ばれる測距儀の登場で、広範囲の3次元情報(X,Y,Z座標)を短時間で計測できるようになり、道路やトンネル等の構造物に対して空間的な把握が容易になりました。また、地上の標高や地形を精密に計測するために、航空機にレーザースキャナを搭載した航空レーザー測量にも活用されており、「数値地図5mメッシュ(標高)」などの数値地図にも活用されています。
この3Dレーザースキャナを用いた測量技術は、車両に各種センサを搭載したMMS(モバイルマッピングシステム)にも活用されています。走行しながら、道路の3次元情報を取得できるこの技術は、路面形状の把握や道路地図作成への応用にも期待されています。
講義では、3Dレーザースキャナのしくみを解説し、測量や交通分野における利用事例を紹介します。また、取得された3次元情報にカメラで撮影された色情報(RGB)を付加させることでより現実に近い表現も可能になります。