日本大学理工学部

Step2

住宅街の交通安全を守る秘訣とは?

交通システム工学科

私たちがまちの中を移動するために使う道路には、歩道と車道が区別されていてクルマの交通量が多い幹線道路と、住宅街の民家からほど近く幅員の狭い生活道路があります。幹線道路には多くの交通をなるべく効率的にさばく「トラフィック機能」の役割がある一方、生活道路には民家や沿道施設へ交通をゆっくりつなぐための「アクセス機能」が求められます。ところが、日本の住宅街の中には、幹線道路が混雑して渋滞すると大量のクルマが生活道路の中へ流れ込むいわゆる「抜け道問題」を抱えている地域がたくさんあります。

生活道路は地域住民にとって身近な道路で、小学生の通学路や買い物などにもよく使われ、歩行者や自転車の利用が多く、抜け道問題は地域の生活にひどく悪影響を与える脅威となります。そのため最近は、抜け道交通量とクルマの速度を抑えるための道路づくりや、幹線道路に囲まれた住宅街の生活道路を一斉に30km/h規制とする「ゾーン30」といった新しい対策が広がっています。

授業では、生活道路の交通問題を客観的に把握する交通実態調査の手法や、生活道路で特に守られるべき「子ども」「高齢者」「障がい者」の視点からの対策の考え方、安全対策に対する地域の合意形成を図るための取り組み等に触れながら、日常的な交通安全問題の解決方法について解説していきます。

走行速度抑制のためのハンプの走行実験|区域内を面的に30km/h規制とする「ゾーン30」(世田谷区二子玉川)|住民発意で実現したゾーン30の出口標識(世田谷区二子玉川)
稲垣 具志
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