セーヌ川と東京の川は、どっちが美しいか、音楽を聴きながら、考えてみよう
交通システム工学科
世界の人々が集まるパリのセーヌ川の風景と、日本の川の風景を比べてみよう。あれ、どちらも同じに見えるぞ。さて、それは何故ですか?
江戸時代にできた東京の川は、地方から江戸に米や塩を運ぶために作られました。やがて、その川の周りに柵が立ち、護岸は鋼矢板で垂直に仕切られて、誰もそこに近づかなくなりました。
そして川の風景は、人々の生活の中から消えていきました。環境が人間の考え方を規定したのです。しかし、川の護岸を傾斜護岸(石を傾めに敷くこと)に変え、堤防の上を歩きやすい小道に変え、その周りに桜の木を植えたら、毎朝、そこを散歩する人や、サックスを吹く人や、いろいろ人達が集まってきました。これは、パリのセーヌ川の風景とまったく変わりません。
土木技術者は、このように風景を作る仕事をしています。川の上に架かる橋のデザインも私達の仕事です。そんな素晴らしい仕事を、ハーモニカを聴きながら、ちょっと眺めてみませんか。きっと、あなた方も、こんな仕事がしたいと、思うようになるでしょう。