保育施設の音・振動環境
建築学科
現在、保育施設については、待機児童の問題などが取り上げられる一方で、周辺住民の反対などで開園までこぎつけられなかったケースなど、多くの問題がニュースなどでも見られ、社会問題となっています。そもそも、保育施設の音環境を考える上で、乳幼児のことを考えれば、当然、外部環境が静かな場所に建設されることが望ましいと思います。しかしながら、そういった観点からの議論よりも、むしろ、乳幼児からの発生音が周辺住民に与える影響について耳にすることが多いのが現状です。また、待機児童の問題の解決のために、様々な場所に保育施設がつくられており、外部の音環境からみると不利になると思われる鉄道高架下空間や複合施設内の一部を利用して建設されるケースも見られます。
ここでは、「保育施設から発生する音」、「保育施設(保育室)へ入ってくる音」の両面から、いくつかの事例を通して保育施設の音・振動環境を考えたいと思います。