これからの少子高齢社会と海浜空間
海洋建築工学科
日本では21世紀に入り、超高齢社会といわれる本格的な高齢者の時代を迎えようとしています。その対策として、2006年12月のバリアフリー新法制定など、建物内部及び公共交通空間における移動の利便性や安全性の向上が推進されつつあります。それらの対策により、高齢者・障害者の外出が容易となり、海洋性レクリエーションへの参加意欲が向上していくものと考えられます。そのためにはバリアフリーとしての対応では限界があり、今後は個々の施設が円滑につながり、安全かつ自由に行動でき、全ての人々にとって優しい配慮のされたユニバーサルデザイン整備が必要であると考えられます。
また、海浜空間の利用計画では、サイン計画が重要な視点であると言えます。広大な海浜空間では自分の位置の把握が困難であり、特に高齢者の場合、トイレや休憩場所の位置など、文字ではなく一目で分かるサインが必要不可欠なものであると言えます。
以上のような社会状況から、この講義では日本がこれから迎える超高齢社会において、健常者だけでなく、高齢者・障害者を含めた全ての人々が、海浜空間のもつ魅力を満喫できるようなシステムを構築するための手法についてお話します。