日本大学理工学部

Step2

宇宙で折り紙 -展開宇宙構造物の設計・開発の実際-

航空宇宙工学科

宇宙で大きな構造物をつくる場合、ロケットで運べる大きさや重さは限られているため、宇宙で組み立てるか、小さく畳んでおいたものを宇宙で広げるかの2通りしかないでしょう。後者、すなわち、畳んでおいて広げる場合、日本の折り紙の技術が役に立ちます。実際、1995年に打ち上げられた宇宙実験・観測フリーフライヤSFUでは展開式の太陽電池パドルを、2010年に打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機IKAROSでは、一辺が14mで厚さが7.5ミクロンしかない大型の薄い膜を、それぞれ折り紙の技術を駆使して宇宙で展開することに成功しています。日本大学でも、2014年5月に20cm立方で重さが約7.1kgの超小型衛星SPROUTを打ち上げており、複合膜面構造物と呼ばれる一辺が1.5mの膜構造物を展開する実験を世界で初めて行う予定です。現在、折り紙は世界でも注目を浴びており、「ORIGAMI Engineering」という分野ができています。この講義では、折り紙をつくって楽しみながら、国内外における、折り紙の技術を利用した展開宇宙構造物の最新の開発動向を紹介します。

宮崎 康行
宮崎 康行
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