省エネ・省電力の決め手:究極のナノ構造電子デバイスをつくるC
電子工学科
ナノ・テクノロジーの飛躍的進歩による、エレクトロニクスの発展により、今日の高度情報化社会を支えるITC技術がもたらされました。これら技術革新は主に電子素子/回路の「微小化」「高集積化」という考え方により、超高速・小型・高機能・低消費電力な電子装置を作り出してまいりました。一方、ナノスケールでのモノづくりが追及された今、これ以上「微小化」し「高集積」する事で高機能化する事は困難となっています。
本講義で紹介する研究は、電気、電流を利用するエレクトロニクスと、磁石の性質を利用するマグネティクス(磁気工学)が融合した、スピントロニクスと呼ばれる「新分野」に含まれる研究です。ナノ・スケールに置いて顕在化する、電気、電流と磁石がお互いに関係し合う新たな現象を探求、利用しようというものです。半導体メモリであるDRAMと磁気記録メモリであるHDDの良い特徴を合わせた、磁気ランダムアクセスメモリMRAMと呼ばれるデバイスや、電流により磁石を制御し記録するためのスピン・トランスファー・トルクSTTと呼ばれる現象/応用方法、自己集積化現象と呼ばれる自然が自ら進んで形作る性質を利用したナノ構造の形成等、最先端の研究や技術を紹介いたします。