日本大学理工学部

Step2

酸化カルシウム系建築材料のリサイクル

物質応用化学科

われわれが生活している家あるいは職場のビルを見回してみると酸化カルシウム系建築材料であるセッコウボード、コンクリートで囲まれていることに気がつきます。最近では、このビルあるいは家が老朽化や都市整備などにより解体され、これによって大量のコンクリート廃材、セッコウボード廃材が排出されています。この量はコンクリート廃材で年間5000万t程度、セッコウボード廃材では170 万t 程度と推定されています。コンクリート廃材の一部は埋め戻し材、骨材などとしてリサイクルされていますが、廃棄処理地の不足や遠方化などによる廃材の不法投棄は後を絶たず、環境汚染などを引き起こして社会問題となっています。そこで、われわれは、ただたんに廃棄物を役に立たないものとしてあつかうのではなく、酸化カルシウム系建築材料を化学的に処理することにより新たな資源として活用することを目的とした研究を行っています。

たとえば、コンクリート廃材を地球温暖化の原因とされている二酸化炭素と海水を用いて化学処理することにより、コンクリートの原料である炭酸カルシウム、シリカゲルおよび砂などが得られることを明らかにしています。

小嶋 芳行
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