日本大学理工学部

Step2

低温と超伝導 -液体窒素を体験しよう-

物理学科

ある種の物質を冷やしていくと、ある温度以下でその物質の電気抵抗が突然ゼロになる場合があります。これを超伝導といいます。この超伝導は1911年、今から約100年前にオランダのカマリン・ネオスによって、当時高純度化が最も進んでいた水銀で発見されました。それ以降、より高い温度で超電導になる物質を探索する研究が進められてきました。1986年にIBMのベドノルツとミューラーにより、酸化物高温超電導体が発見され、“超伝導フィーバー”が世界中で巻き起こりました。さらに、2008年に鉄と砒素を含む物質群で新しい高温超電導体が見つかり、現在、新たなブームが起こっています。このような超伝導体の研究では、日本人研究者が多大な貢献をしています。また、超伝導は医療用MRIやリニアモーターカーなどの分野で実用化されています。この授業では、まず、超伝導の歴史、その物理的性質や応用例について説明します。次に、超伝導の示す性質の1つである“完全反磁性”を用いた“浮き磁石”や“磁束ピンニング”を用いた“磁石”を体験し、これらの原理を高校で学習する物理の範囲内で考察します。また、低温実験で寒剤としてよく用いられている液体窒素の性質について説明した後に、液体窒素を用いた簡単な実験をしてもらいます。

高野 良紀
高野 良紀
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浮き磁石浮き磁石ピンニングによる磁石ピンニングによる磁石高校の理科室での授業風景高校の理科室での授業風景

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