日本大学理工学部

Step2

自然界の対称性と素粒子

物理学科

物理の実験は東京で行っても大阪で行ってもおよそ同じ結果が得られます。このことは重要な意味を持っています。というのは、もし実験結果が場所によって全く違ったものになるならば、授業で使う教科書も場所によって全く違った内容になっていなければなりません・・・というのは冗談ですが、このように「空間方向に移動しても物事が変わらない」という性質は、実は「運動量保存の法則」という物理法則と密接に関係しています。この例のように、物事に何らかの操作を施してもその物事が変化しない場合、その操作のことを「対称性」と呼びます。他の身近な対称性の例として、円形は「中心周りの回転」と「中心を通る軸に関する入れ替え」という操作を対称性として持っています。

自然界には実に様々な対称性が存在し、それらは様々な物理現象と関係します。また逆に「対称性の破れ」という概念も重要な物理的意味を持ちます。この講義では特に自然界のミクロの世界、つまり素粒子の世界に存在する様々な対称性や、その対称性と関連した物理現象を紹介します。例えば私達の住む世界とそれを鏡に映した世界は同じ物理法則に従うかどうか、みなさんはどう思いますか?

三輪 光嗣
申し込む

このページのトップへ