日本大学理工学部

Step2

代数学入門 −整数の剰余−

数学科

整数全体を幾つかの仲間に分けます。例えば4で割った余りで分けることにしましょう。整数を4で割ると、割り切れるか、1余るか、2余るか、3余るかの4通りになります。これによって整数の全体を4つの集合に分けることが出来ます。それぞれの集合に以下のように名前をつけましょう。

0={4で割り切れる整数}  ={・・・、−4、0、4、8、・・・}
1={4で割って1余る整数}={・・・、−3、1、5、9、・・・}
2={4で割って2余る整数}={・・・、−2、2、6、10、・・・}
3={4で割って3余る整数}={・・・、−1、3、7、11、・・・}

そしてこの4つの集合に足し算のようなものが入らないか考えて見ます。例えば3に含まれる元と2に含まれる元との和は−1+6=5、 11+(−2)=9、 7+10=17、 ・・・等すべて4で割って1余る整数、すなわち1の元になります。よって3と2の和は1であると定め、3+2=1 とあらわすことにします。同様にしてそれぞれの和を求めていくと次の表のようになります。(右上図)

この表から、引き算についてもうまく定められそうだということが見えてきます。それでは掛け算はどうでしょうか?3の元と2の元の積は−1×6=−6、 11×(−2)=−22、 7×10=70、 ・・・等すべて4で割って2余る整数、すなわち2の元になります。どうやらうまくいきそうなので表を作ってみます。(右下図)

この表から、割り算については問題がありそうなことがわかりますか? 上と同じ事を4以外の数で割った余りについても考えてみましょう。

古津 博俊
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