学習理論と解析関数論
数学科
情報科学の分野では、計測して得られた多量のデータから、そのデータを発している情報源の確率分布(真の分布)を推測することを学習といい、この学習は手書き文字認識、画像認識、音声認識、遺伝子解析などに利用されます。
例えば、手書き文字認識の場合、手書き文字は、ノイズの含まれたデータなので、確率的に考える必要があります。いろいろなデータ(手書き文字の画像)を与えて、機械に学習させます。
機械による学習の仕組みとしては、色々なものが考えられてきました。現在、効率的なものとして動物の生体神経回路網をヒントにして作られた「ニューラルネットワーク」などが利用されています。
「学習理論」とは、このような仕組みを利用した場合の学習の挙動を定めている共通または固有の法則を解明、体系化することです。その上で情報科学的なシステム設計法を与えることを目的としています。
近年、この学習理論研究のためには、解析関数論の手法が必要であることが分かってきました。学習理論は、解析関数論と結びついて理論研究が盛んになってきた新しい分野です。