日本大学理工学部

Step2

大きな数と数列 (計算の理論入門)

数学科

大きな数と言われたとき、いくつぐらいの数を思い浮かべるでしょうか。江戸時代の塵劫記という本には、大きな数の呼び名として、千、万、億、兆などの日常でも見かける数から始まって、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数という見たこともないものが載っています。しかし、べき乗の記法を知っていれば、10 の右肩に 100 とか 1000 とか書くだけで無量大数よりもはるかに大きな数を表すことができます。それではいったいどのくらい大きな数を書くことができるでしょう。

こんな話から始まって、より効率よく大きな数を作る方法を考えていくと、なるべく速く増えていく数列をどのように作ったらよいかが問題になることがわかります。この講義では、二つの数列の増え方の比較の方法や、より速く増大する数列の作り方、そして値は決っているはずなのにまだ最初の数項しか値が知られていない不思議な数列の話など、計算の理論という分野の入口のあたりの風景を紹介しようと思います。

志村 立矢
申し込む

このページのトップへ