次世代のエネルギー源として期待されている発電方式の一つに「核融合炉発電」があります。核融合とは原子力エネルギーの一つであり、太陽などの恒星内部で起こっている核反応です。つまり核融合炉発電とは、『地球上に小さな人工太陽を創り、そのエネルギーを用いて電気を作ろう。』と言う世界的なプロジェクト研究です。

講義ではまず、全ての物体を構成する物質・原子・原子核の仕組み、大きさの話をします。次に、この物質を構成する原子核がもつ原子力エネルギーの詳細を解説します。原子力エネルギーには「核分裂反応」と「核融合反応」があり、それらの違いや、反応から生じる放射線の種類、遮蔽、基礎特性などをお話します。最後に宇宙の星々、恒星で生じている核融合と比較しながら近未来のエネルギー源である核融合炉発電について解説します。また近年、全世界的な問題となっている地球温暖化現象や環境問題に関しても紹介します。

渡部 政行