日本大学理工学部

Step2

高密度ピンチ現象への招待

量子科学研究所

ピンチとはつまむことです。自然界には自発的にピンチが発生する現象が多く見られます。パルスパワーを用いると実験室でも物質をピンチさせて高温高密度プラズマを発生させることができます。高温高密度プラズマは原子物理の宝庫で、紫外線から軟X線にいたるさまざまな波長の光を発生させることができます。これらは次世代半導体リソグラフィや軟X線顕微鏡の光源として応用することができます。

また、ピンチプラズマの発生過程で1 MeVを超える高エネルギー粒子が発生します。これらの粒子がどのように加速されるかについてはまだなぞの多いところですが、この現象の解明は宇宙における粒子加速機構の解明につながると考えられ、また次世代の粒子加速器の開発にも応用できると考えられています。

この講義では高校の物理に基づいてピンチ現象について解説し、あわせて最新の成果を紹介したいと思います。

高杉 恵一
高杉 恵一
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1000万度のプラズマから放射された軟X線
トムソンパラボラ分析器で観測された高エネルギー粒子

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