身近な"まちの歴史"の再発見
まちづくり工学科
人の生い立ちを知ると、その人によりいっそう親しみがわくように、身近な"まちの歴史"を知ることで、普段何気なく暮らしているまちに、魅力や愛着を感じるようになります。そうしたまちへの愛着は、クオリティ・オブ・ライフ、すなわち"暮らしの質"を高めるまちづくりの原動力となります。
ところで、日本のまちは、実に多様な成り立ちを誇っています。全国の主要都市の多くは、近世の「城下町」を起源とします。また、かつての幹線道路、つまり旧街道沿いには、「宿場町」を起源とするまちが連なります。さらに、河川や運河沿いには、様々な物資の集散地であった「在郷町」を起源とするまちが発達し、一方沿岸部には、海運拠点としての「湊町」を起源とするまちが点在します。
この講義では、まず、こうした日本のまちの成り立ちを概説したうえで、絵図や古地図を使いながら、身近なまちの歴史の見方・調べ方についてお話します。さらに、まちの歴史が表れた身近な歴史資源について、まちづくりにおいてどのように活用していくか、具体事例を交えつつ、歴史を活かしたまちづくりの手法についてお話します。