研究実績

研究実績

超短時間光・物質相互作用の理解・制御が切り開く新材料・物性・デバイスの探索と創生

本事業は、人の理解・制御可能な時間の版図を広げ、新材料・デバイスの創生を図る野心的なプロジェクトとして発足しました。今日、種々の元素を原子レベルで制御する知見と技術を手に入れ多種多様な機能性材料、デバイスを勝ち得ています。その一方、時間領域において物性をよく理解しその技術的利用を達成しているのはナノ秒(10-9秒)オーダーであり、フェムト秒(10-15秒)というはるかに短い未踏領域の理解・制御を図ることは、近年要請が高まる超高速情報処理、新規光機能材料や超微細低エネルギー消費デバイス創生の指導原理のひとつとして不可欠な知見につながるものです。この分野横断型課題を目標に掲げ、さまざまな専門性を持つ教員、主に海外から集ったポスドク、学生の強い相互協力の下、海外連携も通じ、理工学部先端材料科学センターを拠点とした有機的な研究環境を形成します。平成25年に文部科学省より選定され、共同研究成果例として新規超高速高密度情報記録原理の提案等を発信し、平成28年には光と物質の相互作用に関する国際ワークショップも主催しました。さらなる融合領域研究の発展を図ります。
(電子工学専攻教授 塚本  新)

国際宇宙ステーションからのブラックホール探査

全天X線監視装置MAXIは、2009年7月に国際宇宙ステーションの「きぼう」実験棟に取り付けられたX線望遠鏡で、全天からのX線を7年以上にわたってモニターしています。
MAXIは国内の9つの大学・研究機関との共同研究であり、多くの企業がその開発に携わっています。そのため研究室の学生は、研究室だけでなく他の研究所や企業での実験にも参加してきました。私の研究室では、JAXAから委託研究という形で、突然輝き出す新天体を発見し、世界に速報するシステムを開発してきました。そのシステムにより、MAXI が観測を始めてからこれまでに、同期間では世界最多となる6つのブラックホール天体をはじめ、数々の特異な天体や現象を世界に先駆けて発見し、世界に速報してきました。
これらの成果もあり、2014 年には MAXI ミッションを記した論文に対して日本天文学会から論文賞を、当時システムを開発していた学生らと共同受賞しました。現在、初の重力波源天体の発見に向けて、国内外の研究者や大学院生らとともに日夜研究に取り組んでいます。
(物理学専攻教授 根來  均)

局在表面プラズモンによる光触媒の可視光応答と水素発生

今回のプロジェクトでは、太陽の力を借りて水から水素を生成する技術の確立を目指します。これまでのところ、光の力により水から水素を得るものとして「光触媒」が有名ですが、この光触媒は太陽光にわずかしか含まれていない紫外線にしか反応しないため水素生成効率が小さく、高効率化のために、光強度の高い可視光への対応が求められています。私たちのグループでは、光触媒半導体の改質を直接行うのではなく、金ナノ粒子を使って光触媒の可視光応答を目指しています。金属に光が照射されますと、金属中の伝導電子と光が相互作用を起こし、プラズモンが誘起されます。金属のサイズを小さくしていくと光による金属内の分極が粒子全体に及ぶことになり、特徴的な共鳴状態が現れます。このプラズモン共鳴を利用することで、金ナノ粒子内に高エネルギー電子が生成され、これが光触媒に移ることにより、水の分解が効率よく進みます。
これを実現するために、光触媒ナノワイヤーの頂点に金ナノ粒子が乗っている複合材料の作成に写真の分子線エピタキシー装置を用いて挑戦しております。
(物理学専攻教授 高瀬 浩一)

超音波照射による固液混合材料の記憶の消去と材料の破壊強度の強化への応用

高濃度固液混合材料(ペースト)に振動や流動や電磁場などの外場を加えると、外場下でのミクロな構造変化が塑性変形として記憶されるので、材料物性を外場の方向に依存する異方的なものへと制御できる。典型的な応用としては亀裂の伝播しやすい方向の制御があり、振動を記憶したペーストを乾燥させて固化させると振動に対して垂直方向に割れやすい材料となり、流動や磁場を記憶したペーストを乾燥させると流動や磁場に対して平行方向に割れやすい材料となる。外場を記憶させての材料物性の制御は破壊強度だけにとどまらず、ヤング率などの力学的物性や電気伝導度などの電磁気学的物性の制御にも応用できると考えられる。一方、容器に流し込んだ方向に沿って割れやすくなるこの性質はセメント・ペーストなどのような建築材料などにとっては好ましくない。今回の研究プロジェクトにより、外場の記憶により特定の方向に割れやすくなった固液混合材料に対し、超音波照射によって材料の内部構造を均質化し、割れやすい方向を消去することが可能になったことは、材料の破壊強度を強化させることを意味するので、工学的な広い応用が期待される。
(一般教育教授 中原 明生)

NUBICにおける特許件数

技術に関する研究成果等を民間事業者へ移転する推進機関として設置されている日本大学産官学連携知財センター(略称:NUBIC ニュービック)に係属する産業財産権等で、理工学部は国内外の特許出願件数、特許公開件数とも日本大学のなかで多数を占め、活発な研究活動の実績を示しています。


理工学部の特許件数(平成24年~平成28年12月)

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学外からの研究補助金

各種補助金は、大学における教育・研究活動をより活性化すると同時に、社会からの評価指標ともなるものです。理工学部では、科学研究費助成事業(科研費)をはじめとした外部資金の獲得に積極的に取り組み、申請を奨励する制度も設けています。


委託研究・研究奨励寄付件数(平成23年~平成28年)
科研費の申請・採択件数(平成23年~平成28年)
外部資金導入の推移(平成23年~平成28年)

受賞実績

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