2016年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 電子物性工学 | ||
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設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 岩田 展幸 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J41F |
クラス |
概要
学修到達目標 | 基礎的な電子物性の知識をベースとして、電子の波動性を理解し、結晶の構造解析手法であるX線回折の原理と応用例を修得する。その後、結晶中の電子のエネルギースペクトルを取り扱うバンド構造の概念を理解する。一方、格子振動のモデルと解析法ならびにフォノンの概念を踏まえて、熱伝導現象を理解する。こうした電子物性の基礎を修得することによって、半導体物性ならびにデバイス応用を学習する準備を整えることを目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義は板書とともに、授業内容理解を助けるプリントを配布する。学習の理解を深めるために、中間試験や簡易実験を実施する。 |
履修条件 | 高校で学習する基礎的な物理・化学に関する知識、大学における教養課程での物理学の知識を有していること。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容 |
履修条件に合わせ、電子工学科2年・前期に設置されている「基礎電子物性」を受講していることが望ましい。 シラバスの内容を確認し、2-3冊の参考書で該当する箇所を熟読し、予習・復習を行うこと。理解できない点を整理し、質問の準備をしておくこと。本授業では講義内容を覚えるだけでは習得できない。自分で物理的イメージを頭に描けるまで考えることが重要である。数冊の教科書・参考図書を熟読することを強く推奨する。 |
授業計画
第1回 | 自由電子の電気伝導 フェルミ速度、ドリフト速度、抵抗率、導電率、移動度、衝突時間、 |
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第2回 | バンド構造(1) バンド構造、エネルギーギャップ |
第3回 | バンド構造(2) 群速度、有効質量 |
第4回 | バンド構造(3) ブロッホの定理、逆格子ベクトル、ブラッグ条件 |
第5回 | バンド構造(4) 1,2,3次元ブリルアンゾーン |
第6回 | バンド構造(5) ブリルアンゾーンと電気伝導 |
第7回 | 第1回 中間テスト X線回折(1) フーリエ変換 |
第8回 | X線回折(2) フーリエ変換と逆格子ベクトル |
第9回 | X線回折(3) 散乱ベクトル、ブラッグ条件 |
第10回 | X線回折(4) エヴァルド球、原子構造因子 |
第11回 | X線回折(5) 消滅則 |
第12回 | 格子振動(1) 2個の原子を含む場合、プランク分布 |
第13回 | 格子振動(2) デバイモデル |
第14回 | 格子振動(3) アインシュタインモデル |
第15回 | 第2回 中間試験+解説 |
その他
教科書 |
川辺和夫、平木昭夫、岩見基弘 『基礎電子物性工学』 コロナ社
坂田亮 『物性科学』 培風館
永田一清 『物性物理学』 裳華房
沼居貴陽 『個体物性入門』 森北出版
小島誠治・澤田昭勝・中村輝太郎 訳 『固体の諸性質』 東海大学出版会
長尾辰哉 他 訳 『固体の電子論』 東海大学出版会
志賀正幸 『材料科学者のための固体電子論入門 エネルギーバンドと固体の物性』 内田老鶴圃
志賀正幸 『材料科学者のための固体物理学入門』 内田老鶴圃
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参考書 |
宇野良清 他 共訳 『キッテル 固体物理学入門』 丸善
作道恒太郎 『固体物理 格子振動・誘電体』 裳華房
黒沢達美 『物性論 -固体を中心とした-』 裳華房
今野豊彦 『物質からの回折と結像』 共立出版
小出昭一郎 『量子力学(I)』 裳華房
固体の性質を議論するとき、高校とは異なった感覚での理解が必要である。その理解に慣れるために、多くの教科書を読み比べることが、理解の近道である。よって、簡単に説明してある参考書を紹介する。図書館等で是非、読み比べて欲しい。
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験 70~80% 中間テスト 20~30% |
質問への対応 | 講義や演習中に随時受け付けるが、研究室に来てくれてもかまわない。当研究室の大学院生は固体物理を勉強しており、いつでも教えられる。 |
研究室又は 連絡先 |
4号館401室 |
オフィスアワー |
月曜 船橋 09:00 ~ 13:10 4号館401室
火曜 船橋 09:00 ~ 14:50 4号館401室
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学生への メッセージ |
物の性質を理解するためのわかりづらい式が多く出てくるが、その式の意味することをイメージとして頭に残して欲しい。 |