2016年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅴ
構造物の重大損傷と戦略的メンテナンス
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西・高木 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス |
概要
学修到達目標 | ・社会基盤施設(主として鋼構造物)に作用する力によって発生する応力(引張応力、圧縮応力、せん断応力)、変状として現れる破壊現象の座屈、疲労等及び溶接等継手構造の特徴、設計について理解する。 ・社会基盤施設(主として道路構造物)の維持管理(メンテナンス)、供用後に発生する損傷、構造物の現状を適切に把握する点検・診断、対策(維持、補修、補強等)、マネジメントについて理解する。 ・実務に機能する即戦力となる専門技術者を目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
・講義(座学)型式を主として行う。 ・講義は、事例等が多数含まれることからパワーポイントを使用し、その都度解説する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
・授業計画にも示すように鋼構造物の力学特性、特に疲労、座屈等の破壊力学及び破壊制御設計について解説を中心に進める前半、構造物が供用を開始した後に現れる種々な損傷、維持管理、対策及びマネジメント等の解説を中心に進める後半があり、いずれも国内外の抱えている喫緊の課題解決の具体的な手段を示す建設から維持管理まで一体として学べる講義内容となっている。 ・講義内容の修得度を高めるためにも土木関連の基礎知識及びインフラに関する国内外情勢等を予備知識として事前学習していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 鋼構造物の技術史 鋼の力学的性質 ・鋼の組成と性質 ・鋼の破壊 |
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第2回 | 鋼部材の破壊 ・き裂と破壊 ・破壊靱性 |
第3回 | 引張部材,曲げ部材の設計 ・引張り部材の内部応力 ・欠損の影響 ・ケーブル |
第4回 | 圧縮部材の座屈と座屈設計 ・柱の座屈 ・板の座屈 |
第5回 | 鋼橋の疲労 ・疲労損傷事例 ・疲労とは ・疲労に関するトピックス |
第6回 | 破壊制御設計 ・衝撃強さ ・脆性破壊防止設計 |
第7回 | 溶接構造の設計施工 ・溶接 ・溶接施工と溶接欠陥 ・溶接部の設計 |
第8回 | 構造物の維持管理と考え方 ・維持管理(メンテナンス) ・建設と維持管理の差異 ・維持管理の現状と課題 |
第9回 | 構造物に発生する損傷・劣化の要因と機構 ・鋼構造物の損傷・劣化 ・コンクリート構造物の損傷・劣化 ・付属物の損傷・劣化 |
第10回 | 構造物の点検と診断 ・点検(目視外観調査)とポイント ・非破壊調査の概要と特徴 ・健全度(損傷度)診断 |
第11回 | 構造物の劣化予測と寿命 ・確率的劣化予測と確定的劣化予測 ・統計的劣化予測事例紹介と課題 ・劣化予測と対策時期 |
第12回 | 構造物の補修と現状 ・維持行為と補修 ・性能回復と補修技術 ・補修対策の概要と特徴 |
第13回 | 構造物の補強と現状 ・性能向上と補強技術 ・補強対策の概要と特徴 |
第14回 | 構造物のライフサイクルとマネジメント ・ライフサイクルコスト ・構造物の影響と社会的便益 ・会計(公会計)と投資 ・マネジメントの種類と特徴 |
第15回 | 構造物に発生する重大損傷と効果的・効率的なメンテナンス実施に関わる平常試験とその解説 |
その他
教科書 |
教科書は特別に指定はしない。ただし、講義時に使用するパワーポイン(PPT)資料を講義前日までに公開するので必ず事前予習することが望ましい。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
三木千寿 『鋼構造』 共立出版 2000年
小澤一雅、髙木千太郎他 『アセットマネジメント導入への挑戦』 技報堂出版 2007年
髙木千太郎、依田照彦 『橋があぶない』 ぎょうせい 2010年
三木千寿 『橋梁の疲労と破壊』 朝倉書店 2011年
本講義を受講する際にこれら書籍を参考書として活用することで、講義内容の理解度が高まり、今後社会に出て実務を執行する際に役立つことになる。ここに掲載した書籍以外に「これならわかる道路橋の点検」建設図書、「社会インフラ・メンテナンス工学」(公社)土木学会なども参考にするとよい。
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成績評価の方法 及び基準 |
①課題レポート:60% ②講義時平常試験:30% ③授業対応意欲:10% |
質問への対応 | ・講義終了後に受付、その場で説明する。 ・担当講師への質問メールに対し、その都度メール等で回答する。 |
研究室又は 連絡先 |
・小西拓洋:konishi@tcu.ac.jp ・髙木千太郎:takasent@tecmex.or.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・実務に精通している講師であることから、予習・復習をその都度行い、不明な部分は直接講師に対しヒヤリング等を行うことで、理解度を高めることが可能となる。 ・国内外で不足する構造物に関する専門技術者となることを目的に必要な能力修得を講師と一体となって進める。 |