2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 高分子合成化学特論 | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 青柳 隆夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L22A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 環境、エネルギー、医学分野などの分野で、機能性高分子材料が用いられている。本講義では高分子材料の合成と、得られる材料の機能を関連づけながら、従来の応用技術を整理し、最先端の機能性高分子材料関連分野の知識を深めることを目的とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書またはパワーポイントによる講義によって行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部講義で行われた講義「高分子化学」「高分子合成化学」の内容に関して復習しておくこと。特に、連鎖反応の項目についてよく理解しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 開講に当たり、講義の進め方、成績の評価について説明する。高分子材料開発における分子設計の重要性を説明する。 |
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第2回 | 高分子合成(1)精密重合法と高分子構造 均一な分子量分布を目指したリビングラジカル重合法の特徴について解説する。 |
第3回 | 高分子合成(2)連鎖構造と機能について 機能性高分子を得るのに有効な可逆的負荷開裂連鎖移動重合と得られるブロックコポリマーの機能制御について解説する。 |
第4回 | 高分子の連鎖設計論と機能材料への応用展開(1)分岐ポリマーを中心として グラフトポリマー、多数の分岐点を有するハイパーブランチドポリマーなどの例を紹介する。特にデンドリマーについてその構造と機能について取り上げる。 |
第5回 | 高分子の連鎖設計論と機能材料への応用展開(2)表面、界面での高分子化学 固体表面への高分子の導入方法について解説する。特に表面グラフト重合法と機能材料への応用について紹介する。 |
第6回 | 高分子の連鎖設計論と機能材料への応用展開(3)無機材料とのハイブリッド 有機―無機ハイブリッド材料について解説する。異種界面を接合させるための最近のアプローチについて紹介する。 |
第7回 | 高分子自己修復材料 自己修復とは何か、どのような材料設計が行われているか、その応用は、などについて解説する。 |
第8回 | 高分子形状記憶材料 形状記憶合金との相違、実際の高分子形状記憶材料の性質およびその応用例について解説する。 |
第9回 | 高分子分離膜材料 環境、エネルギー、医療へ応用される膜材料について解説する。逆浸透膜、限外濾過膜などへ応用される膜材料、分離のメカニズム、Fickの拡散方程式についても触れる。 |
第10回 | 高分子光学材料 光学レンズ、光ファイバー、レジスト材料、非線形光学材料などについてその材料としての特徴を解説する。 |
第11回 | 導電性高分子材料 電子伝導、イオン電導などのメカニズムと実際に用いられる高分子材料の特徴を紹介する。 |
第12回 | 生体適合性高分子材料とドラッグデリバリーシステム 高分子材料が生体適合性を獲得するにはどのようなアプローチがなされてきたか、その歴史も紹介しながら最近の研究を論じる。また、ドラッグデリバリーシステムの概念と機能性高分子材料が果たす役割を論じる。 |
第13回 | スマートポリマーの医療分野への応用 スマートポリマーとは何か、その材料設計論およびドラッグデリバリーシステム、再生医療などの医療分野への応用について解説する。 |
第14回 | スマートポリマーの生理活性物質の分離技術への応用 スマートポリマーのクロマトグラフィーへの応用技術を取り上げて、医療分野以外での応用例を紹介する。 |
第15回 | 講義の総まとめを行う。 これまで紹介した例を取り上げながら、機能性高分子材料の設計について論じる。 |
その他
教科書 |
教科書は特に指定しない。講義に必要な資料がある場合は都度配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
青柳隆夫 監修 『全章』 医療用バイオマテリアルの研究開発 シーエムシー出版 2017年 第1版
Ebara, M., Kotsuchibashi, Y., Narain, R., Idota, N., Kim, Y.-J., Hoffman, J.M., Uto, K., Aoyagi,T., 全章, Smart Biomaterials, Springer, 2014, 1 edition
それぞれの参考書は、12-14回の講義の参考に適している。
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成績評価の方法 及び基準 |
講義の最終回に課すレポートの内容によって評価する。 |
質問への対応 | 授業終了後、随時対応する。研究室への訪問,E-mailでの問い合わせでもよい。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館 有機材料化学第1研究室 E-mail: aoyagi.takao@nihon-u.ac.jp Tel; 03-3259-0433 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 14:00 ~ 18:00
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学生への メッセージ |
最先端の機能性高分子材料に関する知識を身につけることを期待する。 |