2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 |
応用化学特別講義Ⅳ
化学企業の開発研究
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 角五 正弘 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L24A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 「化学」は多彩な機能を有する物質を作り出す鍵となる学問でアメリカ化学会は「化学」をセントラルサイエンスと言っている。本授業では化学の歴史、高分子化学の基礎、高分子工業における開発研究の実態について学習し、基礎学問と実際の開発研究とのつながりを理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義が中心であるが、重要なところは板書する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部で履修した講義については予備知識があることを前提として講義するが、次週の講義内容のアウトラインを説明するので必要な知識は既習の教科書、参考書で予習するのが望ましい。ただし、重要な基礎知識は授業中に解説する。 |
授業計画
第1回 | 『化学と技術』 「化学」と化学工業の「技術」のかかわりを説明し、大学において学習する基礎科学の重要性を理解する。 |
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第2回 | 『化学産業とはー石油化学を中心にー』 化学産業の大きな分野を占める石油化学工業を中心に化学工業の実態を学習し、化学産業について理解を深める。 |
第3回 | 『高分子科学と工業の歴史』 高分子科学と工業の歴史の大きな流れとその間の主要な発見について理解する。 |
第4回 | 『企業の高分子開発の概要』 第5回~第7回の3回にわたって講義するポリエチレンの授業の前に自分自身が携わってきた高分子開発の事例を解説し、カギとなる課題のブレークスルーをどのようにするかを考える。 |
第5回 | 『エチレンの重合からポリエチレンの分子構造まで(第1回)』 第5回から第7回にわたって代表的な高分子としてポリエチレンを取り上げ、その合成から最終製品であるフィルムやプラスチック成型品になるまでをシームレスに理解する。 |
第6回 | 『ポリエチレンの結晶構造から成形品の高次構造まで第2回)』 X線回折、熱解析など解析手法を使ってポリエチレンの構造、物性の解析例を学習し、高分子構造解析を理解する。 |
第7回 | 『ポリエチレンの溶融物性から成型まで(第3回)』 3回の講義の最終回。溶融物性から高分子加工までを学習する。3回の講義を通して世界で最も大量に生産、消費されている代表的な熱可塑性、結晶性高分子であるポリエチレンのシームレスな理解を深める。 |
第8回 | 『高分子のミクロ構造とオレフィンの立体規則性重合』 高分子のミクロ構造について解説したのち、ポリプロピレンを例に立体規則性重合について講義する。この授業を通じてミクロ構造の違いが物性に大きく盈虚いうすることを理解する。 |
第9回 | 『分子量分布と省燃費タイヤ』 分子量分布は高分子に特有の分子構造要素である。と省燃費タイヤ用ゴムを例に分子量分布と燃費の関連を学習し、分子量分布の重要性を理解する。 |
第10回 | 『高分子加工とレオロジー』 各種熱可塑性高分子の加工事例を学習し、基礎学問としのてレオロジーの重要性を理解する。 |
第11回 | 『混合エネルギーとポリマーアロイ』 近年、工業材料として単一ポリマーではなく複数のポリマーからなるポリマーアロイの重要性が増している。実際のポリマーアロイ開発の事例を学習し、異種高分子同士の溶解性について理解する。 |
第12回 | 事例研究Ⅰ『包装材料と高分子』 事例研究Ⅱ『自動車・IT産業と高分子』 これらの産業ではコストダウン、軽量化、薄肉化、意匠性付与等を目的に多くの高分子が使用されている。日常生活における高分子の貢献について学習し、高分子の特性との関連を理解する。 |
第13回 | 事例研究Ⅲ『環境と高分子』 かって環境汚染という高分子の負の部分に関心が集中した時代があったが、現在では対策も進みプラス面を含めてバランスのとれた受け止めかたがされるようになってきた。その歴史と現状を学習し、未解決の課題も考える。 |
第14回 | 小テスとその解説を行い、レポート作成を実施する。 |
第15回 | 『総括』 レポート返却と感想。講義全体のまとめ。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
『基礎高分子化学』 妹尾学、栗田公夫、矢野彰一郎、澤口孝志 共立出版 2000年 第1版
『基本高分子化学』 柴田充弘 三共出版 2012年 第1版
松浦一雄 『高分子材料が一番わかる』 技術評論社 2011年 第1版
講義でもこれら3冊の参考書の内容の一部を引用して紹介します。柴田先生の著書は難しいところがありますが、優れた参考書だと思います。
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成績評価の方法 及び基準 |
小テストとレポート。評価比率は50%/50%。 |
質問への対応 | 講義の途中でも質問を歓迎します。毎回講義の最後に質問時間を設けます。メールでの質問も歓迎します。 |
研究室又は 連絡先 |
〒103-0027 東京都中央区日本橋1-16-11 株式会社岩田商会メールアドレスはm.kakugo@iwata-cc.co.jpです。 授業中、授業終了後の質問大歓迎です。 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 14:00 ~ 17:00
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学生への メッセージ |
基礎的な学習を大事にしてください。 |