2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 磁気流体力学Ⅱ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 長山 好夫 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M31B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 磁場中のプラズマは思ったようには振る舞いません。直感が効かず、数式を頼りにするしかないので、プラズマは分かりにくいです。方程式を用いたプラズマの扱いに慣れることを到達目標とします。磁気流体力学I、IIを通して、F.F. Chen「プラズマ物理入門」(和訳)およびFriedberg「Ideal MHD」(原書)を読み通して、プラズマ物理学を使う上で必須なこれら2冊の名著を座右の書とすることが、実は隠れた目標です。 |
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授業形態及び 授業方法 |
ゼミのように、原書(Ideal MHD)を輪読します。学生が順番に原書を意訳し、教員が解説します。電磁流体力学を学ぶと同時に物理英語に慣れます。意訳とは、直訳とは異なり、他人がわかるように文の意味を表現することです。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
(予習)次回の講義の分について、理解できなくて良いので教科書を読み、単語調べをする。自分の分については意訳を作る。 (復習)授業で進んだ部分の教科書を読む。英語なので復習しないと意味が分かりません。 (予備知識)磁気流体力学Iの受講を前提とします。 |
授業計画
第1回 | (Ideal MHD 4) MHD平衡 基本方程式、磁気面 |
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第2回 | (Ideal MHD 5) 1次元MHD平衡配位 θピンチ、Zピンチ、スクリューピンチ |
第3回 | (Ideal MHD 6) 2次元MHD平衡配位 Grad-Shafranov方程式 |
第4回 | (Ideal MHD 6) 2次元MHD平衡配位 high βトカマク、Grad-Shafranov方程式の厳密解 |
第5回 | (Ideal MHD 7) 3次元MHD平衡配位 ステラレータ |
第6回 | (Ideal MHD 7) 3次元MHD平衡配位 ステラレータの真空磁気面 |
第7回 | (Ideal MHD 8) MHD安定性の一般論 波動 |
第8回 | (Ideal MHD 8) MHD安定性の一般論 エネルギー原理 |
第9回 | (Ideal MHD 9) 代替MHDモデル Kinetic MHDモデル |
第10回 | (Ideal MHD 10) MHD安定性の理論の比較 |
第11回 | (Ideal MHD 11) 1次元平衡でのMHD安定性 θピンチ、Zピンチ |
第12回 | (Ideal MHD 11) 1次元平衡でのMHD安定性 直線トカマク、RFP |
第13回 | (Ideal MHD 12) 2次元平衡でのMHD安定性 バルーニングモード |
第14回 | (Ideal MHD 12) 2次元平衡でのMHD安定性 メルシェ条件 |
第15回 | (Ideal MHD 12) 2次元平衡でのMHD安定性 軸対象モード |
その他
教科書 |
Jeffrey P. Freidberg, Ideal MHD, Cambridge University Press, 2014, 1 edition
日本語の電磁流体力学の教科書はありません。Freidbergの前著は人気があり、絶版後、古書価格が3倍にも高騰したほどです。ようやく、改訂版の本書が出版されました。核融合に特化していることもあり、わかりやすさは抜群です。でも英語なので、事前に単語等の下調べは必須ですし、復習としてもう一度読むことも必要です
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
授業への貢献度により評価します。貢献とは、輪読の義務を果たすこと、授業に積極的に参加することです。 |
質問への対応 | 授業中および研究室で受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
教科書:Freidberg "Ideal MHD"は間違いなく名著です。一度読んでおけば、ずっと頼りにすることができます。理解できなくても読み通しましょう。驚くほど力が付きます。 |