日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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活躍する卒業生

子供たちが「わかった!」と笑顔で報告してくれた時が何より達成感を感じる瞬間です。千葉県市立市川第八中学校 教諭 佐藤茜 数学科 2016年度卒業

現在は中学一年生の担任と、週に4回一年生3クラス、週に3回二年生1クラスの数学を受け持っています。クラスごとに授業の進み具合が違い、さらに個人で頑張るクラスや全員で和気あいあいと頑張るクラスなどクラスカラーも異なるため、クラスに合わせて授業のやり方を変えるなど大変ながらも楽しく充実した日々を送っています。子供たちがわからなかった問題を「わかった!」と笑顔で報告してきてくれた時が、何より達成感を感じる瞬間です。私はもともと数学が苦手でした。しかし高校二年生のに数学担当だった担任の先生に出会い、諦めずに取り組めば苦手は克服できると知った実体験があり、自分と同じ経験を子供たちに与えてあげたいと思っていたので、いっそう喜びを感じます。
中国やアメリカなどの多国籍の子供たちへの接し方にはたいへん苦戦しました。その国の文化によって、言葉はもちろん習慣やマナーなども違うため、どのようにしてコミュニケーションをとるべきかとても悩みました。これは今も課題だと感じています。最初は辞書の音声やスマートフォンの翻訳機能などを活用していたのですが、流石というべきか子供たちの覚えは早く、ほんの数ヵ月で日本語でもコミュニケーションがとれるようになりました。しかし、子供たちに頼ってばかりではいられないので、英語を猛勉強しています。今後の教師生活でも重要になってくると思うので、積極的に取り組んでいきたいです。

私が仕事をするうえで大切にしていることは「一生懸命頑張った結果、失敗してしまった子供に否定的な言葉をかけないこと」です。子供たちには失敗を恐れず何事にも挑戦してほしいと思っています。今後も授業や部活を通して「失敗は恥ではなく成功への近道」であることを伝えていきたいです。また私は、子供一人ひとりに向き合う時間を作ることをポリシーとしています。一対一で話す時間を作ることはなかなか難しくて実践できていないのですが、子供たちがいる時間は教室や学年のフロアにいたり、授業開始10分前には必ず教室にいるようにしたりと工夫して、しっかりコミュニケーションをとることを心掛けています。子供たちに気づかされることも数多くあり、自分の世界が広がっていくのがとても楽しいです。
理工学部で数学の楽しさ、難しさ、奥深さなどを学ぶ中で「ここだけは逃しちゃいけない」という、数学を教える時に必ず押さえなければいけないポイントがわかるようになったことは、大きな糧となっています。また様々な問題を活用して「何故1+1が2になるのか」「何故マイナスとマイナスをかけるとプラスになるのか」といった数の理論を研究していたことも活きています。ただ「決まり」という概念を教えるのと、身近にある道具などを使用して「こういう過程があるから、この答えが出る」といった理屈を説明して教えるのとでは、子供の理解度が全く違うので、もっと教え方の引き出しを増やせたらと思っています。子供たちとともに、自分もさらにステップアップしていきたいです。

(取材 2020.3)

  • まちづくり工学科 2016年度卒業 村山 旭
  • 精密機械工学科 2009年度卒業 岡﨑 一人
  • 応用情報工学科 2016年度卒業 松永 創
  • 数学科 2016年度卒業 佐藤 茜