日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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活躍する卒業生

理工学部との出会いがなかったら自動車会社でのモノづくりに携わっていなかったと思います。日産自動車株式会社 阿部 泰英 機械工学科2012年度卒業(2014年度大学院修了)

開発に携わった北米アルティマ搭載のPR25DDエンジン

もともとは建築志望でしたが、オープンキャンパスでエンジンが動く様子を見て興味を持ち、機械工学科に入学しました。今まで触れたことのない、数学と物理が融合したような教科や製図などの授業は新鮮でしたが、苦手なことも多く苦労しました。しかし基礎をしっかり築ける理工学部の学修環境で勉強していくうちに、だんだんと専門用語やモノの見方がわかるようになって、楽しくなっていきました。
卒業研究は機械工学科に入るきっかけとなったエンジンの研究室を選択して、まだ実用化されていないガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特性を組み合わせた、HCCIエンジンの研究を行いました。先生の代打として学会で話す機会をいただくなど、貴重な経験が勉強嫌いだった自分を大きく成長させてくれたのだと思っています。理工学部に出会えて、本当に良かったです。

日産自動車では希望通りエンジンの開発部署に配属され、現在は欧州向けSUVに搭載される「e-POWERシステム」の開発を担当しており、エンジンを動かすために必要なたくさんの制御項目を一つ一つ決めていく業務に携わっております。「e-POWER」は単なる発電機ではなく、充電が足りない時はエンジンを使って発電し、満タンならエンジンを停止して蓄えた電力で走行するなど、ドライバーの要求以外にもバッテリー充電状態でも運転状態が変化します。そのため、従来のエンジンより制御を行うソフトウェアが複雑で、実験や評価など大変な面もありますが、その分やりがいを感じています。入社3年目でアルティマという米国向け車両のエンジン開発に携わったのですが、無事に立ち上げられた時は本当に感動しました。自分が関わった車がアメリカを走っている様子を聞くほか、日産の社用車として仲間入りを果たした光景を見て大きな達成感に包まれたことをよく覚えています。それと同時に、開発の中では自分の仕事が0と1の数値を打ち換えるだけでエンジンが暴走し、人の命を奪う危険性があることも実感し、改めて気を引き締めました。今後も細心の注意を払いながら一つ一つの仕事に向き合い、自動車会社ならではのモノづくりに携わっていきたいです。

(取材 2021.3)

  • 建築学科 2011年度卒業 小野 加愛
  • 機械工学科 2012年度卒業 阿部 泰英
  • 土木工学科 2011年度卒業 五味 傑
  • 電気工学科 2013年度卒業 須田 翔大
  • 物質応用化学科 2018年度卒業 山本 一生