活躍する卒業生
理工学部の新しい学びの場所として2018年度に完成した、地下3階、地上18階の超高層建築物「タワー・スコラ」。私は、建物の骨組みとなる部分を設計する、構造設計に携わらせていただきました。当時、入社2年目。卒業生だし、アシスタント的な立場での声掛けだろうと思っていたのですが、地上部分の構造設計のほとんどを任せられることになり、驚きとプレッシャーでいっぱいでした。
特に苦労したのは、免震構造にプラスして、建築学科の対震構造研究室が研究開発に携わった、最新の制震装置を導入したことです。基本的に建物というのは耐震、免震、制震のうちどれかを選択し設計するので、タワー・スコラは滅多にない特殊なケースでした。さらに、私が学生時代に研究していたのが、スタジアムや体育館のように横に広い建物だったので、高層建築物に関する知識もほとんどありませんでした。前例もなければ、知識もない、右も左もわからずにスタートしなければならなかった私をご指導くださったのが、理工学部の教授であり対震のスぺシャリストである古橋剛先生です。
また、古橋先生の下で研究活動をしていた友人、さらには高層建築物について設計実務経験のあるOBの方々にも助言をいただきながら、試行錯誤して設計を進めていきました。多くの人々に協力していただいたおかげで、地震に対して最高ランクの性能を誇る、タワー・スコラを設計することができました。
タワー・スコラの設計は、私自身にとっても大きな挑戦でした。不安に思うことも、苦労することもありましたが、理工学部の仲間をはじめ、たくさんの人に支えられ、無事に完成を迎えることができて良かったと心の底から思っています。タワー・スコラの設計・建設に関われたことは、私の誇りです。