日本大学理工学部

Step2

微生物を利用した下水からの資源回収

土木工学科

私たちは、新しい細胞を合成したり生体器官を維持するため、食べ物や飲み物から栄養とエネルギーを吸収しています。私たちが廃棄する食べ残しや厨房排水、排泄物には、吸収しきれなかった栄養とエネルギーが豊富に含まれているため、そのまま川や湖に放流すると、有機物汚濁や富栄養化などの深刻な水質汚染を引き起こします。

水環境を保全し、かつ、持続可能な社会を構築するためには、排水を適切に処理して取り除くことに加え、排水中の栄養やエネルギーを積極的に回収し再利用することが求められています。その役割を担っているのは、わずか数マイクロメートルのとても小さな生き物であるバクテリアです。バクテリアは、その多彩な能力と処世術で厳しい環境を巧みに生き抜き、排水処理はもちろん、私たちが利用し損ねた栄養やエネルギーを回収する技術へも役立とうとしています。

本講義では、バクテリアの多様性とその生命力、生き抜くための知恵を紹介しながら、バクテリアを用いた排水処理と資源・エネルギー回収の動向について概説します。

齋藤 利晃
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