日本大学理工学部

Step2

文化遺産をアナライジング(解読)する

建築学科

歴史や美術の本を読むと、各時代にさまざまな美意識で建築が造られていることがわかる。そのようなことを記した専門書は難解なものが多い。しかし、それらをアナライジング(空間ルールの分析)してみると、容易に空間の質の違いが理解できる。

例えば(1)新薬師寺(奈良時代)の空間構成と、(2)浄土寺浄土堂(鎌倉初期)を比べてみたい。新薬師寺は薬師如来像を中心に空間が創られ、それに重なるように周囲の空間が創られている。それに対して、(2)浄土寺浄土堂にみられる空間構成は、阿弥陀如来像のための空間とその周囲の礼拝者のための空間が分離して造られていることがわかる。このことは、前者が仏を中心に造られた建築であることを示しており、後者は内部に入った人々を意識して建築が創られているのである。建築の中に秘められた“寸法構成のルール”を読み取ることによって、時代と建築との関係、そして古くから建築とは切り離しては考えられない寸法の持つ意味を解読してみたい。

重枝 豊
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①	新薬師寺(奈良時代・奈良県)の空間構成(1)新薬師寺
(奈良時代・奈良県)の 空間構成浄土寺浄土堂(鎌倉時代・兵庫県)の空間(2)浄土寺浄土堂
(鎌倉時代・兵庫県)の 空間

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