日本大学理工学部

Step2

氷海域における海洋構造物の安全性

海洋建築工学科

北極海周辺の海域には、全世界の原油究極埋蔵量のおよそ1/6が眠っているといわれています。また、オホーツク海では流氷を観光資源として活用しようとしています。このような、氷海域において建築物を安全に造るうえで何が問題になるかを考えてみましょう。まずは、海の氷はどのように生まれ成長するか、またどのような性質を持っているかを知ることが大切です。冷蔵庫で作られた氷とは全く異なる性質をもっています。海水には塩分が含まれていますので、結氷する際にブラインと呼ばれる濃縮塩水を含んだ柱状の結晶構造になります。ちょうど霜柱を押し固めたような構造を想像していただければ良いと思います。従って、普通の氷よりは脆く柔らかな氷ということになります。オホーツク海では、1mもの厚さの海氷が、人間がゆっくり歩くのとほぼ同じ速さで流されていますし、北極海では百万トンを超えるような氷山が流れてくることもあります。映画化されて、有名になったタイタニック号の遭難もこの氷山との衝突によるものでしたが、海洋構造物でも同じ危険にさらされていることになります。また、この海域は、環太平洋地震帯にあり地震活動が活発ですので地震に対する備えも必要です。‘海氷の不思議’と‘氷海構造物の安全性’の話をわかり易く解説します。

中西 三和
中西 三和
申し込む
紋別市オホーツクタワー紋別市オホーツクタワー
(オホーツク・ガリコンタワー
株式会社提供)

このページのトップへ