日本大学理工学部

Step2

水とのかかわり ―水辺とくらし―

海洋建築工学科

近年、都会の中から自然が姿を消しつつあると云われています。具体的には、人々が日常生活を過ごす身近な生活の場に見られた緑のある場所や土のある場所が減少し、それに呼応するように、そこで目にした昆虫や植物などが減ってきたためだと思われます。こうしたことは、わたくし達が生活する上で、季節感を失ったり、やすらぎや癒しといった精神的な安堵感を知らず知らずの内に失うことにつながります。その一方で環境変化に強く、生存能力の強い動植物や人間活動に共棲した生物が繁殖力を増すことで、わが国固有の生態系や多様性のある生態系が崩壊しつつあります。

こうした中で、都会の中で唯一自然の残されている場所が、河川やウォーターフロントと呼称される「水辺」であり、今日急速に、その環境が見直されてきています。例えば、海辺では人工海浜や干潟が整備され、河川では自然を取り戻す工法によりビオトープが形成されています。

この講義では、この水辺に焦点を当て、水辺が都会の中で果たしてきた役割や、そこで営まれてきた人々と水辺との係わりについて、「水辺と暮らし」をテーマとして、(1)水辺と人間活動、(2)水辺と生態系、(3)水辺の再生や創造、(4)その技術についてお話しします。

畔柳 昭雄
畔柳 昭雄
申し込む

このページのトップへ