『ものづくり』って何だろう-ちいさなちいさなものづくり-
機械工学科
機械工学は『ものづくり』のための学問です。人間は自然がつくったものと人間がつくったものに囲まれて生活していますが、最近は人工的につくったものの方が多く、自然のものを見るのが難しくなりました。
この講義では人間がものをつくるということに焦点を当てて、ものづくりについて考えてみようと思います。少々専門的な表現をすると、ものをつくる学問を生産工学と呼んでいますが、ここではこの内、非常に小さなものを対象として、つくることを考えてみようと思います。添付した写真は私どもの研究室で開発した技術を用いて作った直径0.05mmという細い軸を示しています。最近マイクロマシーンをいう言葉をよく聞かれると思いますが、これらのものは図に示したような小さな『ものづくり』技術の開発があってこそできるのです。
ものづくりは大変地味な技術であるため、皆さんが日ごろ意識することはないと思いますが、人間の生活を豊かにし、幸福な生活を実現するためには欠かすことのできない大切なものです。一度自分の周りにあるものを、どのような考え方で、どのようにしてつくったのかを考えてみようではありませんか。