うまく壊れる –安全なものづくり-
精密機械工学科
身のまわりにあふれる便利な機械装置。朝起きてから使ったあるいは乗った機械を数えてみましょう。一方で使っていて・乗っていて心配だった機械の数を数えてみると、圧倒的に少ないのではないでしょうか。それよりも朝遅れずに通学・通勤するのに一生懸命だった方が多いことと思います。つまり自然と皆さんは機械装置を信用して使っているわけです。
そのための壊れないものづくり、といったら納得しやすいかと思います。その通り、まず一定の形を保つように材料力学、構造力学に基づき多くのものが計算され、作られています。しかし故障したものが動き続けたらどうでしょう。あるいは乗り物が衝突したとき。ものが壊れなくても、使っている人は大きなダメージを受けるかもしれません。人にやさしい安全な機械は、たとえそのものが壊れても人を守ってくれるように作る必要があります。
そこで損傷制御設計。いざというときにうまく壊れて人へのダメージを軽減する、最先端の衝撃吸収構造の研究について、乗り物等への応用例を交えながら紹介します。