日本大学理工学部

Step2

持続可能な次世代のロケットエンジン

航空宇宙工学科

宇宙へ人や物を送るときにはロケットを使用し,大きな力を出せる化学ロケットエンジンが利用されています。宇宙へ行くには非常に大きな力(推力)が必要で,そのためには多くの燃料と酸素を必要とします。燃料となる物質と酸素となる物質(これらを推進剤という)をロケットは自ら運び,そのため空気が薄いまたは無いところでも飛ぶことができます。しかし,これらの推進剤は本質的に爆発性があり,何か事故が起きて推進剤が混合したり,エンジンに異常が発生したりすると一瞬にして爆発してしまいます。事故を起こさないことが大事なのですが,このような本質的に爆発性を持つ化学ロケットエンジンでは宇宙旅行のように一般の人を乗せるロケットのエンジンには不向きです。

そこで,ハイブリッドロケットエンジンという化学ロケットエンジンがあります。ハイブリッドロケットエンジンは本質的に非爆発性という安全に優れたエンジンです。しかし,ハイブリッドロケットエンジンは大きな推力を出すことが難しく,人を宇宙に送るにはまだ力不足です。我々の研究室では,ハイブリッドロケットエンジンの性能を向上させるために,主に燃料の研究を行っています。

この講義では,ロケットの燃料のルーツとも言える黒色火薬から,ロケットエンジンの基礎,最近の研究課題について解説します。

髙橋 賢一
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