1兆分の1秒のモノサシで電子の世界を観察する
電子工学科
今日、高度情報化社会の中枢をなす高速情報蓄積/処理基盤技術において、物性を良く理解しその技術的利用を達成している時間領域はナノ秒(10-9秒)オーダーです。フェムト秒(10-15秒)という遥かに短い未踏領域の理解・制御を図ることは、近年要請が高まる超高速情報処理、新規光機能材料や超微細低エネルギー消費デバイス創生の指導原理の一つとして、また不可欠な知見として国内外で研究が活発になりつつあります。
本講義で紹介する研究では、超短パルスレーザを用いる事で、超高速磁化応答(極短時間での磁石の振る舞い)の分析を可能とし、物理的に興味深い現象を明らかにしてきております。例えば原子・分子振動よりも短い時間で、光照射により磁石の性質を変えることが可能である事も明らかになってまいりました。これは、従来の物理ではまだ十分に説明できない現象ですが、現在の情報処理技術よりも数千倍速い新たな超高速情報処理装置を作れる可能性を示しております。
「1兆分の1秒のモノサシで電子の世界を観察する」事が未知の世界を切り拓きます。