日本大学理工学部

Step2

持続可能な自然・歴史観光まちづくりに向けて

まちづくり工学科

近年、観光立国に向けかじ取りを進めてきたわが国では、国内外からの来訪者が急増する一方で、一部の人気観光地において過剰な観光客の集中による弊害「オーバーツーリズム」が生じる事態となりました。具体的な事例として、自然観光地においては踏みつけや騒音により自然環境が損なわれ、歴史観光地においては混雑や交通渋滞、地域住民のプライバシーの侵害などが挙げられます。このように、観光は地域の魅力が資源となり活性化をもたらす一方で、過剰になると地域に負荷をかける恐れも持ち合わせています。オーバーツーリズムは、ただ混雑するなどの不便が生じるだけでなく、地域の魅力を損なうことに繋がります。コロナ禍においても、オーバーツーリズム観光地は従来の人気やアクセス性の良さから、比較的観光客の戻りも早く、今後持続可能な観光を進めるためには、地域の許容量に合った観光客数、ツアー数などを設定する必要があります。以上をふまえ、この講義では、日本有数の自然や歴史を観光資源とする観光地が、持続可能な観光を維持するために取り組んできたまちづくりを中心にご紹介します。

押田 佳子
押田 佳子
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日本有数のオーバーツーリズム観光地に挙げられる鎌倉。問題解決に向け、様々な取り組みがなされている。日本有数のオーバーツーリズム観光地に挙げられる鎌倉。問題解決に向け、様々な取り組みがなされている。 小笠原諸島にある無人島「南島」。オーバーツーリズムによる生態系破壊を避けるため、1日100人までの入島制限を設けている。小笠原諸島にある無人島「南島」。オーバーツーリズムによる生態系破壊を避けるため、1日100人までの入島制限を設けている。

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