新型コロナウイルス感染症に係る本学部の対応について >

研究紹介

研究紹介

令和3年度日本大学理工学部学術賞 受賞研究

表面プラズモンの磁気分野への応用

私の研究は、目に見えない光である"表面プラズモン"を応用することにより、磁気デバイスや磁気分野において新しい原理や技術、機能の創出を目指すものです。表面プラズモンは、光との相互作用により金属と誘電体との界面に発生する電子の粗密波です。この表面プラズモンには、(1) 光の波長サイズ以下にまで集束が可能、(2) 励起条件が媒質の誘電率に敏感、(3) 光の周波数で応答可能、(4) 光電界強度を増強可能などの特徴的な性質があります。
高密度・高速磁気記録技術への表面プラズモンの応用研究として、HDDの記録サイズ程度のみを局所的に加熱し、記録媒体の磁気特性を低下した状態で書き込みを行う熱アシスト磁気記録方式の研究があります。効率的に表面プラズモンを加熱領域まで伝搬する導波路構造、表面プラズモンを集光し光電界を増強するプラズモンアンテナについて研究を行ってきました。
また、表面プラズモンの磁気センシングへの応用として、表面プラズモンが励起する界面の誘電率が変化する薄膜材料の研究に取り組んでいます。貴金属と磁性材料とを数十nmサイズで適切に組み合わせることにより、表面プラズモンの励起状態が外部磁界によって変化する現象である磁気表面プラズモン効果の観測に成功しています。より大きな磁気表面プラズモン効果を実現するための薄膜材料開発、及び、磁気表面プラズモン効果という新しい原理に基づく磁気センサの創成に向けた研究を進めています。
(電子工学専攻 准教授 芦澤 好人)

ニュートリノ振動及び暗黒物質直接探索研究への貢献

私の専攻は、素粒子・原子核物理実験で、宇宙・自然からの素粒子を検出する"非加速器実験"という分野を研究しています。地下深くに検出器を設置することで、地上に降り注ぐ宇宙線を遮蔽し、滅多に物質と反応しないニュートリノを観測することや、まだ未発見である暗黒物質を探索しています。岐阜県神岡にある神岡地下素粒子実験施設においては、純水5万トンを用いたスーパーカミオカンデ実験、液体シンチレータ1000トンを用いたカムランド実験によるニュートリノの観測や、液体キセノン1トンを用いたXMASS実験(図1)などが実施されています。
XMASS実験は、スーパーカミオカンデの1/1000以下のエネルギーまで検出感度がある暗黒物質探索検出器です。2019年まで観測を実施し、暗黒物質の存在や、暗黒物質探索以外の物理として、標準理論を越えたニュートリノの未知な反応について制限を付けることに成功しました。特に後者の研究は、暗黒物質探索検出器の多目的検出器としてのポテンシャルを示し、海外の他暗黒物質探索検出器に先駆けて、新物理探索の新たなフロンティアを開いた結果となりました。
私の研究は地上でも実施されています。将来の暗黒物質探索実験のためには、検出器やターゲットとなる希ガス中の放射性不純物を極限まで削減しなければなりません。ガス中や部材からの放射線を計測する装置(図2)の開発や、放射性不純物除去のための吸着剤の開発を船橋キャンパスにある実験室で実施しています。また、高感度でニュートリノの反応を検出するための新検出器の開発研究もしています。
(物理学専攻 助手 小川 洋)

NUBICにおける特許件数

技術に関する研究成果などを民間事業者へ移転する推進機関として設置されている
日本大学産官学連携知財センター(略称:NUBIC ニュービック)に係属する産業財産権などで、
理工学部は国内外の特許出願件数、特許公開件数とも日本大学のなかで多数を占め、活発な研究活動の実績を示しています。


理工学部の特許件数(平成29年4月~令和3年12月)

拡大

学外からの研究補助金

各種補助金は、大学における教育・研究活動をより活性化すると同時に、社会からの評価指標ともなるものです。
理工学部では、科学研究費助成事業(科研費)をはじめとした外部資金の獲得に積極的に取り組み、
申請を奨励する制度も設けています。

拡大   拡大   拡大

受賞紹介

最先端研究から生まれる様々な研究成果は、学会・団体・企業から高い評価を受けており、
かつ、積極的に社会へ還元しています。

拡大   拡大   拡大

PAGE TOP