研究者情報
幾何学的特徴から
整数について調べよう!
数学科
安福 悠教授/Ph.D.,博士 (数理科学)
YASUFUKU, YU
専門
整数論,ディオファントス幾何,数論的力学系
キーワード
ディオファントス幾何
方程式の整数解や有理数解は,古代から調べられています.最も有名なのが「フェルマーの最終定理」で,「nが3以上なら,x^n+y^n=z^nを満たす自然数x, y, zは無い」と主張します.ディオファントス幾何では,「方程式に整数解や有理数解が無限個あるのかどうか」などの問いを,幾何学的特徴から分析していきます.暗号にも使われている楕円曲線も,この分野です.
ボエタ予想
ディオファントス幾何の大予想の一つで,「有理数解同士は,特段の幾何学的事情がない限り反発する」という哲学を数式化したものが「ボエタ予想」です.a+b=cを満たす整数の素因数分解について言及する「abc予想」も,ボエタ予想に含まれています.ボエタ予想のうち,最大公約数の不等式と関連があるものを中心に研究しています.
数論的力学系
関数fを繰り返し合成し,f(a), f(f(a), f(f(f(a))), ...と点aの動きを追っていくものを軌道といい,軌道を分析する分野を力学系といいます.特に,軌道に整数が現れる回数や,分母や分子の素因数分解に登場する素数の分布などを調べる,「数論的力学系」と呼ばれる分野の研究をしています.
メディア出演
サンデーステーション (テレビ朝日:2019),「発見・ 予想を積み重ねるーそれが整数論」 (オーム社:2016)