2017年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
歴史環境論
近世・近代社会と「環境」
|
||
---|---|---|---|
設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 泉 正人 | 履修期 | 前期 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 水曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | Q33U Q34G Q34Y R33L |
クラス | 一般 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 環境問題は、現在の生活を送る上で大きな課題となっている。対症療法的な対応も必要であ るが、より本質的にこの問題と取り組んでいく必要がある。それは「文明」のあり様を考えていくことである。現在の文明と「環境」との関係を考えていくことが、より求められている。そのためには、両者の関係を歴史的に考えていくことが重要と考えられる。以上の問題意識に基づき、本講義では、主として日本の歴史を素材に、ます現代の環境問題を考え、「公害の時代」とも言える高度経済成長期、戦争の時代、明治期の環境問題、そして歴史的に人間の種々の行動が「環境」への大きな負荷になっていった江戸時代の環境問題と、時代を遡る形で、人々の生活と「環境」との関係を見ていくことにする。 この講義により、環境問題を「文明」のあり方の問題として考えることができる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
授業形態は講義形式である。毎時間、以下に示すテーマに基づき、レジュメや資料を配布し 、簡単な板書をしながら説明を行っていく。画像資料も用いていく予定である。必要に応じてリポートを課す。 |
履修条件 | 環境ライフサブメジャー・コース設置科目。専門的な知識がなくても構わない。予習をきち っとして講義に臨んでもらいたい。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容 |
①第1回はシラバスの内容を確認の上、授業に臨むこと。 ②2回目以降は、シラバスの「授業計画」の内容について、参考書などを使って事前にイメージを作っておくこと。 ③江戸時代から近現代にかけての日本の人々の生活を対象とするので、江戸時代から近現代にかけてのおおまかなイメージを、事前に紹介する参考書籍などで作っておいてもらいたい。 ④教科書がないので、復習をまめに行って講義内容を十分に理解しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 我々の生活と「環境」―ガイダンス― 環境問題をどのように捉えていくかを説明する。その他授業の持ち方等について言及する。 |
---|---|
第2回 | 「環境」と歴史 「環境」とは何か?「歴史」とは? |
第3回 | 現代の環境問題―地球温暖化を中心に― 世界的に、人々の関心が最も高い地球温暖化の問題。問題の核心はどこにあるのか。対応は? |
第4回 | 忘れられる環境問題―四大公害訴訟の現在― 公害問題は多く「和解」が成立した。しかし、本当に問題は解決したのだろうか。 |
第5回 | 高度経済成長と「環境」 右肩上がりの経済成長は、人々に何をもたらしたのだろうか。豊かな生活、そして…。 |
第6回 | 環境問題への対応 環境問題への政府の取組みと人々の対応 |
第7回 | 戦争と「環境」 戦争は人々の生活にどのような影響を与えるのか、環境問題の観点から見ていく。 |
第8回 | 産業革命と環境 世界の人々の生活を大きく変えた産業革命。現代の環境問題は産業革命以降のものとすら言われる。産業革命とは何だったのかを考える。 |
第9回 | 足尾鉱毒事件 「公害の原点」と言われる足尾鉱毒事件。その内容と政府の対応について見ていく。 |
第10回 | 明治期の環境問題の根底 明治期の環境問題の根っこは、実は江戸時代にあった。江戸時代の何が原因だったのだろうか? |
第11回 | 江戸時代と「環境」 江戸時代は「環境理想社会江戸」と言われる。本当にそうだったのだろうか? |
第12回 | 江戸時代の開発と環境 17世紀(1600年代)は「大開発時代」と言われる。盛んに新田開発が行われ、耕地面積 は約1.8倍となった。近世の開発とそれがもたらす種々の問題について見ていく。 |
第13回 | 近世の山・森林と「環境」 江戸時代は森林が「保護」されたが、明治になって乱伐が行われたとよく言われる。近世の 山地利用、森林の「保護」のあり方について考える。 |
第14回 | 江戸時代の「公害」 江戸時代には金・銀・銅などの鉱物資源が盛んに採掘され精錬された。足尾鉱毒事件で見ら れた鉱毒と地域の人々の生活とはどのようになっていたのだろうか。影響を受ける地域住民 の行動・主張と、領主側の対応について見ていく。 |
第15回 | 平常試験及びその解説: 講義の内容を理解しているかどうかを確認し、不十分な点について再度説明を行う。 |
その他
教科書 |
特に教科書はない。
|
---|---|
参考書 |
飯島伸子 『環境問題の社会史』 有斐閣アルマ 有斐閣 2000年
鬼頭宏 『環境先進国・江戸』 吉川弘文館 2012年
水本邦彦 『人々の営みと近世の自然』 環境の日本史④ 吉川弘文館 2013年
根岸茂夫ら 『近世の環境と開発』 思文閣出版 2010年
|
成績評価の方法 及び基準 |
平常試験の成績(60%)、時々実施するリポート(20%)、平常点(20%)をもとに、総合的に評価する。出席は毎回とるが、時として不正行為をする学生がいる。不正が明らかになった時は単位を認めないので注意されたい。 |
質問への対応 | 講義の後。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先:042-344-5755(午後10時まで) メールアドレス:izkm2011@hotmail.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
出欠調査に際して不正行為を行った者には単位を認めないので、注意すること。 |