2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 交通システム工学専攻
設置情報
科目名 | 交通環境工学 | ||
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設置学科 | 交通システム工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 岩井 茂雄 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | B26A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 道路を取り巻く環境問題の中から、沿道住民の生活環境に関連した道路交通環境とアメニティとの係わりを学んだ後、自動車排出ガスの拡散と予測、自動車排出ガスによる道路内降雨の汚染、沿道熱環境に係わる道路面での熱収支と沿道での快適性、そして自動車走行に起因する振動の伝播と予測を取り上げて、基礎理論、予測・評価方法等を学び、さらにその利用について習得します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義を中心にして、自動車交通に起因する沿道環境とアメニティの係わり、自動車排出ガスの拡散理論と拡散計算、路上降雨の汚染と環境基準、道路面上での熱収支と沿道での熱環境(快適性)評価、および自動車交通による振動発生と伝播理論および沿道での振動予測方法と環境基準について学ぶと共に、講義中の質疑応答により講義内容の理解を深めるようにします。 講義は、配布する講義に即した資料を基にパワーポイント・板書等を適宜用いて説明します。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予習:授業終了時に次回の授業内容の解説や使用する資料等を配布するので、事前によく読んで次回授業に臨んで下さい。質問事項もまとめておいて下さい。 復習:講義内容の目的、内容を整理してまとめ、これまでの講義内容や次回以降の講義との関連性等を考慮して理解を深めて下さい。不明な点が出てきたときは、オフィスアワー時や次回の授業時に質問して下さい。 道路工学、環境工学、交通工学の各視点から自動車排出ガスの拡散と路上降雨の汚染、道路面での熱収支と人体の快適性、および自動車走行時の振動とその伝搬について学習するので、上記の工学分野の基礎知識を習得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ・ガイダンス ・道路交通環境問題とアメニティ (道路交通環境と環境要因およびアメニティとの係わり) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
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第2回 | ・沿道の大気環境(1) (自動車排出ガスの特性とその拡散) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第3回 | ・沿道の大気環境(2) (自動車排出ガスの拡散形態と気象条件) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第4回 | ・沿道の大気環境(3) (自動車排出ガスの拡散理論(プルームモデル、パフモデル)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第5回 | ・沿道の大気環境(4) (自動車排出ガスの拡散予測(予測計算プロセス、計算結果の表示方法)およびレポート課題の説明) (自己学習時間:予習60分、復習60分、レポート課題180分) |
第6回 | ・路上降雨の汚染(1) (自動車排出ガスによる路上降雨の汚染プロセス) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第7回 | ・路上降雨の汚染(2) (自動車排出ガスによる路上降雨の汚染実態と環境基準および対策方法) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第8回 | ・沿道の熱環境(1) (熱および熱の伝わり方) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第9回 | ・沿道の熱環境(2) (道路面上の熱収支とその要因(長・短波放射、アルベド)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第10回 | ・沿道の熱環境(3) (道路面上の熱収支とその要因(顕熱、潜熱、伝導熱、熱輸送量)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第11回 | ・沿道の熱環境(4) (人体への熱影響とその評価(熱指数、WBGT)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第12回 | ・沿道の地盤振動(1) (振動・波動の基礎理論(弾性波および圧縮波(P波)、せん断波(S波)の発生と伝播速度)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第13回 | ・沿道の地盤振動(2) (振動・波動の基礎理論(平面波、レイリー波(R波)の発生と伝播速度、層構造境界面での弾性波の挙動)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第14回 | ・沿道の地盤振動(3) (振動・波動の基礎理論(ラブ波の性質、ラムの問題(衝撃荷重の伝播)、距離減衰、材料減衰)) (自己学習時間:予習60分、復習60分) |
第15回 | ・沿道の地盤振動(4) (道路交通振動の予測(振動規制法に基づく予測モデル式と予測のフロー)、振動加速度レベルと自動車交通振動の評価、環境基準、対策方法およびレポート課題の説明) (自己学習時間:予習60分、復習60分、レポート課題180分) |
その他
教科書 |
特になし。適宜、講義に即した資料を配付します。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
辻靖三、足立義雄、大西博文、桐越信 『新版・道路環境』 山海堂 2002年 第1版
竹林征三、石川悌二 『実務者のための建設環境技術』 山海堂 1995年 第1版
松梨順二郎編著 『環境流体汚染』 森北出版 1993年 第1版
近藤正純 『水環境の気象学-地表面の水収支・熱収支-』 朝倉書店 1994年 第1版
・『新版・道路環境』は、道路環境問題とその対策等について広範囲にかつ適切に記述された図書です。また『実務者のための建設環境技術』は,道路環境問題対策等について丁寧に書かれています。いずれも絶版図書ですが、図書館に収蔵されているので、適宜参考にして下さい。
・参考文献・資料等については、配付資料に明示したり授業時に適宜紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中の質疑応答(約30%)および課題レポート(約70%)により評価します。これよりGPA制度の基準に従つて合否および優劣を総合的に評価します。 |
質問への対応 | 授業時および下記のオフィスアワーに対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
交通システムエ学科事務室 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 17:30 ~ 18:20 1号館講師室
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学生への メッセージ |
沿道環境に対して、沿道住民が今も快適な生活環境を望んでいます。喫緊の課題としての自動車交通由来の沿道大気問題(自動車排出ガスによる大気汚染の拡散、路上雨水の汚染、熱環境の悪化など)、また古くから指摘されているにもかかわらず今なお改善が望まれている自動車交通騒音問題や自動車交通振動問題があります。それぞれの問題に対する予測の基礎的な理解と評価が、それら問題の解決の端緒となります。絶えず考えながら講義に臨んで下さい。 |