2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 交通システム工学専攻
設置情報
科目名 | コンクリート工学特論 | ||
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設置学科 | 交通システム工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 鈴木 圭 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | B33B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 鉄筋コンクリートならびにプレストレストコンクリートの発明から現在までの発展の経緯を学び、インフラ整備に重要な役割を果たしていることを理解し、交通計画、道路計画、および交通ステム維持管理計画等を策定する場合の基本知識を習得します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
配布資料やパワーポイントを中心とした講義・演習を中心として、理解度を確認するミニレポートを実施します。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
専門教育科目、両コース共通、社会・環境系群 |
授業計画
第1回 | 鉄筋コンクリート(RC)・プレストレストコンクリート(PC)の歴史と展望(1) 道路構造物の基本的な材料である鉄筋コンクリート(RC)の起源を明らかにし、どのように道路構造物に応用されていったのか、当時の新材料が社会に認知され、広範囲に使われるための規準化と実験、及び広報の方法について、理解する。特に、欧州を中心として進め、各国の新技術に関する取組姿勢の違い、事故発生による指針化の動向と100年前の日本の先端技術の導入について学ぶ。 |
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第2回 | 鉄筋コンクリート(RC)・プレストレストコンクリート(PC)の歴史と展望(2) 道路構造物の基本的な材料であるプレストレストコンクリート(PC)を使ったPC構造物の起源を橋梁を中心として明らかにし、どのように道路構造物に応用されていったのか、欧州(フランス、ドイツ等)と日本における発展の経緯を学び、第2次大戦、EU統一によって、どのように指針、環境が変わっていったのかを理解し、今後の日本におけるRCとPCの展望を考える。 |
第3回 | コンクリート構造物の特徴(1) コンクリート標準示方書の本編を中心として、コンクリート構造物の要求性能、構造計画、性能照査について学ぶ。 |
第4回 | コンクリート構造物の特徴(2) コンクリート標準示方書の本編を中心として、道路構造物を事例として材料の設計値、荷重、耐久性・安全性について学ぶ。 |
第5回 | コンクリート構造物の特徴(3) コンクリート標準示方書の本編を中心として、使用性・耐震性・初期ひび割れに対する詳細、及び鉄筋コンクリートの構造細目等について学ぶ。 |
第6回 | プレストレストコンクリート構造物の特徴(1) コンクリート標準示方書の本編を中心として、プレストレストコンクリートの種類、プレストレスト力、曲げモーメント及び軸方向力による材料の設計応力度、せん断力及びねじりモーメントによる材料の設計応力度ついて、設計事例を中心に学ぶ。 |
第7回 | プレストレストコンクリート構造物の特徴(2) コンクリート標準示方書の本編を中心として、プレストレストコンクリートの設計曲げひび割れ幅、耐久性に関する照査、安全性に関する詳細、アンボンドPC鋼材を使った設計方法を学ぶ。 |
第8回 | プレストレストコンクリート構造物の特徴(3) コンクリート標準示方書の本編を中心として、構造細目、プレキャストコンクリート、鋼コンクリート合成構造について、設計事例を中心として設計方法を学ぶ。 |
第9回 | PC道路橋計画(1) 道路橋を計画する場合、路線計画の比較検討を行う上で、路線上にどのようなPC道路橋を計画するか、その規模や形式の具体的な選定が重要になる。架設地点に適したPC橋梁のタイプの選定方法を学び、概算工事費を算定できる能力を身に着ける。 |
第10回 | PC道路橋の設計(2) 長大橋を計画する場合、場所打ち工法、張出し架設工法、斜張橋、エクストラドーズド橋、アーチ橋、外ケーブル橋等に関する道路橋計画、基礎形式の選定方法について学び、道路橋計画を実施する基礎能力を身に着ける。 |
第11回 | PC道路橋の設計(1) PC橋の設計事例を中心として、具体的に概略実施設計を行う。 |
第12回 | PC道路橋の設計(2) PC橋の設計事例を中心として、具体的に概略実施設計を行う。 |
第13回 | PC道路橋の設計(3) ユーロコードに従って、設計事例を中心として、具体的な設計方法を学び、日本の設計法との違いについて考える。 |
第14回 | 道路構造物(橋・トンネルの維持・管理)(1) 道路構造部(橋・トンネル)の維持管理の必要性と、どのような課題があるのか、また、点検方法として、どのような方法があるのかを事例を中心に学ぶ。 |
第15回 | 道路構造物(橋・トンネルの維持・管理)(2) 道路構造部(橋・トンネル)の維持管理の必要性と、どのような課題があるのか、また、点検方法として、どのような方法があるのかを事例を中心に学ぶ。 |
その他
教科書 |
宮澤伸吾他5名 『基礎から学ぶ鉄筋コンクリート工学』 朝倉書店 2009年 第7版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
『コンクリート標準示方書 基本原則編 2012年版』 土木学会 2012年
『コンクリート標準示方書 設計編 2012年版』 土木学会 2012年
『コンクリート標準示方書 施工計編 2012年版』 2012年
『コンクリート標準示方書 維持管理編』 土木学会 2013年
M.khelifa , Résistance des matériaux, CASTEILLA , 2010
Yannick Sieffert, LE BÈTON ARMÈ SELON LES EUROCODES 2, DUNOD, 2010
Bridge design according to Eurocodes Worked Exsample, European Commission, 2012
Wolfgang Rossner 他 『Spannbeton bauwerke Teil 4: Bemessungsbeispeiele nach Eurocode 2』 Ernst & Sohn 2012年
参考資料は適宜、授業の時に配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(100%)で評価します。 |
質問への対応 | 質問は授業中もしくはメール、あるいはオフィスアワーにて対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
構造デザイン研究室 7号館7110室 Tel. E-mail. |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:20 ~ 13:00 後期のみ
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学生への メッセージ |
土木技術者にとって最低限必要な歴史知識が身につくとともに、自分の進む道が位置づけられるかも知れない。また個別に学んでいる科目や知識を総体的・総合的に学べる。また数理的なアプローチではなく、論理的、社会科学的な思考方法の出発点を学ぶことができる。 |