2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築構造特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 神田 順 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C36A |
クラス | 大学院修士 |
概要
学修到達目標 | 構造安全性の概念を理解し、信頼性指標を定量的尺度として、構造設計における定式化を学ぶ。荷重の確率モデル、構造技術者の役割、法規制と基準の意義についても理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義および発表 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
「建築構造計画概論」(共立出版)を予め通読しておくこと。 |
授業計画
第1回 | 構造工学における確率論の基礎 確率の基礎、荷重や耐力を確率変数と考えることの意味を考える。 |
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第2回 | 信頼性指標(AFOSM) 信頼性指標の定義と非線形の場合のための一般化。 (演習レポート課題) |
第3回 | 極値理論 グンベル分布の導出と極値分布の応用 |
第4回 | 地震荷重 確率モデルと入力としての地震動、断層モデルと地盤の解釈。 |
第5回 | 風荷重 強風の確率モデルと風による構造物の応答、超高層ビルの風揺れに対する規範。 |
第6回 | 雪荷重 豪雪の確率モデルと設計における積雪の評価、荷重組み合わせの意味。 |
第7回 | 許容応力度設計(ASD) 荷重設定と許容応力度、応力解析。 |
第8回 | 限界状態設計(LSD) 限界状態の定義、荷重係数の設定とその意味、許容応力度設計との関係。 |
第9回 | 総費用最小化原理 最適な安全性の考え方、破壊時損失費用評価とその意味。 |
第10回 | 構造安全性と法規制 我が国の建築基準法の果たした役割と限界。 (論述レポート課題) |
第11回 | 地盤と基礎 地盤の評価と設計における扱い。 |
第12回 | 既存構造物 耐震診断と耐震補強。社会資本の維持管理の問題。 |
第13回 | 品質保証と保険制度 設計と施工段階における品質管理。自然災害に対する保険の意味。 |
第14回 | 工学倫理にかかわる問題 過去の事故事例における倫理の考察。 |
第15回 | まとめ 各自のテーマを設定した上で、発表と討論。 |
その他
教科書 |
神田 順 『建築構造計画概論』 共立出版 2012年 第1版
構造計画、構造設計に関する基礎的な考え方が項目ごとに整理されている。講義では、さらにその内容を深めて考察する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Bruce Ellingwood and Jun Kanda, Structural Safety and its Quality Assurance 洋書 , A.S.C.E., 2005, 1 edition
神田順 『耐震建築の考え方』 岩波科学ライブラリー 岩波書店 1997年 第2版
神田順、高田毅士、ほか 『限界状態設計法の挑戦』 建築技術 2004年 第2版
神田 順 『安全な建物とは何か 地震のたびに気になる建築基準』 知りたいサイエンス 技術評論社 2010年 第2版
#3は、日本建築学会で、限界状態設計用を活用するアイデアを募り、その優秀作品をまとめたもの。#2と#4は、構造安全に関する基本的な考え方がわかりやすく解説されている。
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成績評価の方法 及び基準 |
発表と討論(40%) 演習レポート(30%) 論述レポート(30%) |
質問への対応 | |
研究室又は 連絡先 |
研究室585B(変更予定あり) メール:kanda@arch.cst.nihon-u.ac.jp 電話内線:845 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |