2017年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | 量子力学Ⅱ | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 桑本 剛 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | P55A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 物理学科の学生が学ぶ量子力学の内容を初学者向けに丁寧に解説する。特に,量子力学の応用面でも重要となる調和振動子,角運動量,水素原子,スピン角運動量の量子力学的な取扱いなどを説明し,原子の周期律を理解することを目標とする. |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行う. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
量子力学Ⅰ(大学院)を受講していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 講義目的:本講義の目的,具体的内容,学習到達目標,成績評価の方法等を説明する. |
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第2回 | 量子力学の基礎 (復習):物質や光の波動性と粒子性,物理量の量子化,シュレーディンガー方程式などの量子力学Ⅰで学ぶ内容を簡単に復習する. |
第3回 | 調和振動子(1):調和振動子とは何か,量子力学的微視的世界でどのように現れてくるのか,その重要性とは何か,等について解説する. |
第4回 | 調和振動子(2):調和振動子中にある1粒子がどのように記述できるのかを理解する.この問題を取り扱う際にひつようとなるエルミート多項式について詳解する. |
第5回 | 調和振動子(3):調和振動子を取り扱う上で重要である生成・消滅演算子について学習する.関連する分野として場の量子論についても簡単に解説する. |
第6回 | 中心力場内の粒子(1):中心力場内の粒子の問題は原子や原子核を取り扱う上で重要である.角運動量の保存が成り立つこのような系を量子力学ではどのように取り扱うべきかを学習する. |
第7回 | 中心力場内の粒子(2):中心力場内の粒子を考える場合重要となる球面調和関数について学習する.また角運動量の固有値を考察し,さらに量子数という概念について理解する. |
第8回 | 前半の復習およびまとめ.小テスト(第1回~7回の講義内容から出題する)およびその解説を行う. |
第9回 | 水素原子:水素原子のエネルギー構造および波動関数を理解する.波動関数の角度部分および動径部分に関して学習する. |
第10回 | スピン角運動量:電子や陽子等の粒子が持つ内部自由度であるスピン角運動量について学習する. |
第11回 | 角運動量の合成:原子内の軌道電子同士によるスピン・軌道相互作用を理解するために必要となる角運動量の合成に関して学習する. |
第12回 | 多粒子系の波動関数(1):粒子が多数ある場合のシュレーディンガー方程式とその解がどうなるかを学ぶ.例として二原子分子を取り上げる |
第13回 | 多粒子系の波動関数(2):多粒子系を扱うときの基礎となるハートレー近似法とハートレー・フォック近似法を学習する. |
第14回 | 原子の構造と周期律:多粒子系の量子力学で学んだ内容を発展させ,原子の周期律について理解を深める. |
第15回 | 後半の復習およびまとめ.小テスト(第9回~14回の講義内容から出題する)およびその解説を行う. |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
猪木慶治・川合光 著 『量子力学 I・II』 講談社
坂井典佑 著 『量子力学 I・II』 培風館
和田純夫 著 『量子力学のききどころ』 岩波書店
原 康夫 著 『量子力学(岩波基礎物理学シリーズ)』 岩波書店
小出昭一郎 『量子力学 I・II』 基礎物理学選書 裳華房
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成績評価の方法 及び基準 |
小テスト(50%),前後半1回ずつ出すレポート課題(50%)によって総合的に行う.公平になるよう,量子力学既習者(物理学科卒業者等)と未習者とで評価基準を調整する.既習者の評価は厳しくなる.テストは基礎的事項から出題する. |
質問への対応 | 授業終了後などに受け付ける. |
研究室又は 連絡先 |
原子光学研究室(桑本)船橋6号館621D室 E-mail: kuwamoto@phys.cst.nihon-u.ac.jp URL:http://www.quant-ph.cst.nihon-u.ac.jp/~kuwamoto/ |
オフィスアワー |
月曜 船橋 18:00 ~ 19:00 船橋6号館621D室
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学生への メッセージ |