2018年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅴ
構造物の重大損傷と戦略的メンテナンス
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西・高木 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス |
概要
学修到達目標 | ・構造物(主として鋼構造物)に力が作用することによって発生する応力(引張応力、圧縮応力、せん断応力)、その結果発生する変状、破壊現象の座屈、疲労等及び溶接等継手構造の特徴、設計について理解する。 ・効率的・効果的なメンテナンス社会確立をリードする知識と技術力を保有する。 ・実務の即戦力となる専門技術者を目指す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
・講義(座学)型式を主として行う。 ・講義は、事例等が多数含まれることからパワーポイントを使用し、その都度解説する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
・授業計画にも示すように鋼構造物の力学特性、特に疲労、座屈等の破壊力学及び破壊制御設計について解説を中心にする前半、構造物の供用後に現れる種々な変状、メンテナンス、マネジメント等の解説を中心に進める後半の構成である。いずれも国内外の抱えている喫緊の課題解決に必要な考え方、具体的な手段等を学べる講義内容となっている。 ・講義内容の修得度を高めるため、土木技術関連の基礎知識及びインフラに関する国内外情勢等を予備知識として事前学習していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 鋼構造物の技術史 鋼の力学的性質 ・鋼の組成と性質 ・鋼の破壊 |
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第2回 | 鋼部材の破壊 ・き裂と破壊 ・破壊靱性 |
第3回 | 引張部材,曲げ部材の設計 ・引張り部材の内部応力 ・欠損の影響 ・ケーブル |
第4回 | 圧縮部材の座屈と座屈設計 ・柱の座屈 ・板の座屈 |
第5回 | 鋼橋の疲労 ・疲労損傷事例 ・疲労とは ・疲労に関するトピックス |
第6回 | 破壊制御設計 ・衝撃強さ ・脆性破壊防止設計 |
第7回 | 溶接構造の設計施工 ・溶接 ・溶接施工と溶接欠陥 ・溶接部の設計 |
第8回 | 構造物の維持管理と考え方 ・維持管理(メンテナンス) ・建設と維持管理 ・維持管理の現状と課題 |
第9回 | 構造物に発生する損傷・劣化の要因と機構 ・鋼構造物の損傷・劣化 ・コンクリート構造物の損傷・劣化 ・付属物の損傷・劣化 |
第10回 | 構造物の点検と診断 ・点検(目視外観調査)とポイント ・非破壊調査の概要とポイント ・健全度診断の考え方とポイント |
第11回 | 構造物の劣化予測と寿命 ・工学的劣化予測の方法とポイント ・統計的劣化予測事例紹介と課題説明 ・劣化予測と対策時期 |
第12回 | 構造物の補修と現状 ・維持管理と補修 ・性能回復と補修技術 ・補修対策の概要と特徴 |
第13回 | 構造物の補強と現状 ・性能向上と補強技術 ・補強対策の概要と特徴 |
第14回 | 構造物のライフサイクルとマネジメント ・ライフサイクルコスト ・構造物の影響と社会的便益 ・会計(公会計)と投資判断 ・マネジメントの種類と特徴 |
第15回 | 構造物に発生する重大損傷と効果的・効率的なメンテナンスに関わる平常試験とその解説 |
その他
教科書 |
教科書は特別に指定はしない。
下記に示す参考書籍を購入し、事前学習することが望ましい。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
三木千寿 『鋼構造』 共立出版 2000年
髙木千太郎、依田照彦 『橋があぶない』 ぎょうせい 2010年
三木千寿 『橋梁の疲労と破壊』 朝倉書店 2011年
髙木千太郎 『これでよいのか インフラ専門技術者』 ぎょうせい 2018年
掲載している参考書籍を活用することで、講義内容の理解度が高まる。また、講義時に参考書籍から必要な部分をいくつか引用するので、事前学習し、講義時に質問すると講義理解度がさらに高まる。
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成績評価の方法 及び基準 |
①課題レポート:60% ②講義時平常試験:30% ③授業対応意欲:10% |
質問への対応 | ・講義終了後に受付、その場で解説する。 ・担当講師への質問メールに対し、その都度メール等で回答する。 |
研究室又は 連絡先 |
・小西拓洋:konishi@tcu.ac.jp ・髙木千太郎:takasent@tecmex.or.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・実務に精通している講師であることから、不明な部分は直接講師に対しヒヤリング等を行うことで、実務で役立つ知識や技術力の修得が可能となる。 ・インフラ構造物に関する専門技術者となることを目標に、必要な能力修得を担当講師と一体となって進める。 |