2018年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築基礎構造特論Ⅰ | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 安達 俊夫 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C52A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 建築基礎構造の耐震設計に必要な地盤の動的問題の基礎知識を習得する。最初に、地盤の動的強さで最も重要な砂地盤の液状化現象について、発生のメカニズム、液状化判定及びエネルギー法による沈下予測などを学ぶ。次いで、耐震設計の実務でよく使用される地盤の地震応答解析プログラム「SHAKE」について、土の動的性質、重複反射理論、等価線形手法などの解析体系を理解する。最後に、自らの研究テーマについて発表し、プレゼンテーション能力を養う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
砂地盤の液状化現象については,論文資料、パワーポイント、ビデオなどを用いて説明する. 地盤の地震応答解析については、テキストをもとに輪講形式で講義を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
授業終了時に授業内容の要約と感想をレポートにまとめ提出する。授業終了時に次回の授業内容について解説するので、参考書等で予習を行こと。 |
授業計画
第1回 | シラバスをもとにガイダンスを行う。 様々な建築物の基礎構造と東日本大震災の液状化被害について説明する。 |
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第2回 | 砂地盤の液状化現象に関する講義を行う。 土と地盤の基礎知識、液状化のメカニズム、液状化の予測法、液状化対策などについて解説する。 |
第3回 | FL法、PL法による液状化判定に関する講義を行う。 液状化判定の手順、結果の解釈について解説し、FL値、Dcyに関する課題を説明する。 |
第4回 | 液状化発生時の地震動強さに関する講義を行う。 現行の液状化判定では外力として地表面の加速度振幅を用いるが、過去の液状化被害を分析すると地震動強さの評価尺度は、加速度よりも速度やスペクトル強度(SI)が合理的であることを解説する。 |
第5回 | 液状化特性に与える地震動の二方向入力の影響に関する講義を行う。 水平面におけるNS、EWの地震動のオービットの強軸方向および二方向入力と強軸一方向が応答値や液状化特性に与える影響について解説する。 |
第6回 | エネルギーの釣合に基づく液状化地盤の沈下予測に関する講義を行う。 上部構造の耐震設計におけるエネルギーの釣合の概念を地盤に展開した液状化地盤の沈下予測法について解説する。また、この予測法を東日本大震災の被害調査結果に適用し、エネルギー法の有効性について検証する。 |
第7回 | 液状化による地震リスク評価に関する講義を行う。 地震リスクを表す指標のPML(予想最大損失)に着目し、東日本大震災における浦安市の液状化被害にPMLを適用したケーススタディーについて解説する。 |
第8回 | 日本建築学会の「建築基礎構造設計指針」の変遷に関する講義を行う。 建築基礎構造設計指針は現在5回目の改定作業中である。初版および4回の改定版の背景と改定のポイントについて、さらに指針における液状化判定と杭基礎の耐震設計の改定の変遷について解説する。 |
第9回 | 地盤の地震応答解析における土の動的性質に関する講義を行う。 地震応答解析に必要な土の単位体積重量、動的せん断剛性、動的ポアソン比、減衰性、動的強さなどについて解説する。 |
第10回 | 地盤の地震応答解析における土の動的せん断剛性に関する講義を行う。 原位置の弾性波探査と室内の動的試験で求めたせん断剛性剛性の比較やせん断剛性のひずみ依存性などについて解説する。 |
第11回 | 地盤の地震応答解析における土の減衰性に関する講義を行う。 土の減衰機構のモデル化や減衰定数のひずみ依存性などについて解説する。 |
第12回 | 地盤の地震応答解析における基礎理論に関する講義を行う。 運動方程式、重複反射理論、フーリエ変換などについて解説する。 |
第13回 | 地盤の地震応答解析における解析体系に関する講義を行う。 連続体モデルと質点系モデル、周波数伝達関数、等価線形化法などについて解説する。 |
第14回 | 各自の研究テーマのプレゼンテーションを行う。 受講者各自が現在取組んでいる研究テーマについて発表し議論する。 |
第15回 | レポートの課題について説明する。 |
その他
教科書 |
特になし。資料を随時配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
日本建築学会 『建築基礎構造設計指針』 2001年
吉見吉昭、福武毅芳 『地盤液状化の物理と評価・対策技術』 技報堂出版 2005年
大崎順彦 『地震動のスペクトル解析入門』 鹿島出版会 1976年
時松孝次、安達俊夫、二木幹夫編著 『Q&Aで知る 住まいの液状化対策』 創樹社 2015年
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成績評価の方法 及び基準 |
授業の理解度および提出レポートにより総合評価する. |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合、質問内容を整理し授業終了後に質問すること。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎5号館6階565B室(山田研究室) E-mail:adachi.toshio@nihon-u.ac.jp TEL:03-3259-0641(山田研究室) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 15:00 ~ 16:00 5号館6階565B室
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学生への メッセージ |
特になし |