2018年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 原子核物理学Ⅱ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 柴田 利明 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M43B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 原子核を構成する陽子と中性子、および中間子の性質について、実験の現状を把握することを目標とする。これらは強い相互作用をする粒子で、総称してハドロンと呼ばれる。陽子と中間子の仲間はバリオンと呼ばれ、基本的にクォーク3個から構成されている。中間子は核力を媒介する粒子として提案され、実際に加速器実験などで多くの種類が発見されてきた。中間子はクォークと反クォークから構成されている。これらの粒子について学んで原子核の特性を理解することを目指す。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
スライド・プロジェクターと黒板を用いて行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
量子力学 |
授業計画
第1回 | 原子核とハドロン、強い相互作用 |
---|---|
第2回 | クォーク模型とパートン模型 |
第3回 | クォークのフレーバー、バリオンと中間子 |
第4回 | グル―オン、色電荷、漸近的自由、量子色力学(QCD) |
第5回 | 弾性散乱と形状因子 |
第6回 | 深非弾性散乱、構造関数とパートン分布関数, EMC効果 |
第7回 | 核子の構造、和則 |
第8回 | 核子のスピン構造 |
第9回 | ハドロンの実験手法:加速器・貯蔵リング・冷却・測定器・偏極標的 |
第10回 | ハドロンの弱い相互作用(I) 電弱相互作用の標準模型 |
第11回 | ハドロンの弱い相互作用(II) パリティの破れ、CP対称性の破れ |
第12回 | クォーク、ハドロンの質量の起源 |
第13回 | ストレンジ、チャーム、ボトムクォークを含むハドロンと原子核 |
第14回 | 高エネルギー重イオン衝突におけるハドロン物理 |
第15回 | 宇宙・天体物理におけるハドロン |
その他
教科書 |
特に指定しない。授業中に紹介する。
|
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
B.ポッフ他著「素粒子・原子核物理入門 改訂新版」丸善出版
|
成績評価の方法 及び基準 |
平常試験ないし定期試験として筆記試験を行い成績を評価する。 |
質問への対応 | 授業の直後に質問を受けます。 |
研究室又は 連絡先 |
授業中に知らせます。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
強い相互作用は、湯川中間子論を起源として現在は量子色力学(QCD)として発展しているので、実験によるその理解の現状を把握してもらいたい。 |