2019年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 教養ゼミナール | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 島村 修平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | S35M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 「クリティカル・シンキング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「批判的思考」などと訳されることもありますが、批判すること自体は必ずしも本来の目的ではありません。クリティカル・シンキングとは、与えられた情報や人の意見をただ鵜呑みにするのではなく、自問自答や周囲の人との話し合いを通じて、本当に納得できる考えを見つける(あるいは、それに近づく)ための技術です。 この授業では、哲学や論理学の分野で反省的に積み重ねられてきた探究の手法を下敷きとして、こうしたクリティカル・シンキングの勘所を学ぶことを目指します。具体的には、接続詞を使いこなす技術、日常触れる文章の中から推論(理由に基づく主張)を取り出す技術、推論を評価する技術、推論の隠れた前提を掘り出す技術、推論を明確な言葉で表現する技術などが含まれます。この講義のもう一つの目標は、そうして学んだ思考の技術を自分にとって身近な問題に当てはめることができるようになることです。このために、社会問題や科学技術に関連するトピックを取り上げ、先の技術を実践的に活用するトレーニングを行います。 |
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授業形態及び 授業方法 |
この授業は、①講義と演習中心の回、②ディスカッション(サイレントダイアローグ、もしくはグループディスカッション)の回、及び③成果をアウトプットする回(プレゼンテーション、もしくは小レポートの作成)の三種類の回から成ります。①では、学習する内容の要点を記載したハンドアウトを配布し、それに基づき講義を行い、また関連する練習問題を解いてもらいます。②では、個人でまたは小グループ等に分かれ、意見交換やディスカッションを行ってもらいます。③は、①や②で学んだ成果を自分なりに噛み砕き、目に見える形でアウトプットするための回です。これら三種類の回からなる入力→咀嚼→出力のサイクルを繰り返すことで、批判的思考の要点を、頭だけでなく、手を使って習得してもらいます。 |
履修条件 | とくにありません。 |
授業計画
第1回 | I 批判的思考を始めてみる イントロダクション: 「批判的思考」って何? 【事前学習(120分)】シラバスをよく読んでおく。 【事後学習(120分)】配布したハンドアウトを読み、要点を復習しておく。 |
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第2回 | 接続詞を使いこなそう 【事前学習(60分)】普段目にする文章の接続詞を意識してみる。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第3回 | 「議論」ってどんな文章? 【事前学習(60分)】第2回のハンドアウトを用いて、その回で学んだ内容を実際に使える状態にしておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第4回 | サイレント・ダイアローグ:身の回りの素朴な疑問を掘り起こしてみよう 【事前学習(120分)】SDの題材として、自分にとっての素朴な疑問を見つけておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第5回 | 事実と推測・意見を区別しよう 【事前学習(120分)】日常で目に触れた文章の中で事実を述べている箇所と単に考えを述べているに過ぎない箇所を区別してみる。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第6回 | II 批判的思考の質を高める よい批判って何だろう(1):議論の前提と主題を区別する・暗黙の前提を掘り起こす 【事前学習(60分)】「よい批判」とはどんな批判だろうかということについて、自分なりに考えておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第7回 | よい批判って何だろう(2):論証図を使ってみる 【事前学習(60分)】他の人の行う論証を評価する際、自分がどこに気を付けているかを考えておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第8回 | サイレント・ダイアローグ:哲学の問題に挑戦! 【事前学習(120分)】自分にとって気になるけれども、簡単には答えが出なさそうな問いを見つけておく。また、第2・4・6・7回の内容を復習し、使える状態にしておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第9回 | 演繹と推測、推測を評価するには。 【事前学習(60分)】日常の中で自分が行っている推論・推測の例を三つ見つけておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第10回 | グループ・ディスカッション 【事前学習(120分)】事前配布資料に目を通しておく。 【事後学習(120分)】次回のプレゼンに備え、GDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第11回 | プレゼンテーションと相互評価 【事前学習(120分)】プレゼンに備え、前回のGDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 【事後学習(120分)】プレゼンの成果をまとめて、改善点について考える。 |
第12回 | III 応用編:批判的思考を実践する ルーブリックって何だろう――より質の高い議論をするために 【事前学習(60分)】第2・4・6・7・9回のハンドアウトを用いて、内容を自分のものにしておく。 【事後学習(180分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第13回 | ディープ・サイレント・ダイアローグ①:素材づくり 【事前学習(120分)】DSDに備え、自分の考えをまとめておく。 【事後学習(120分)】DSDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第14回 | ディープ・サイレント・ダイアローグ②:ルーブリックに基づく相互評価と提案 【事前学習(120分)】これまでの内容を踏まえ、小レポートのテーマを選んでおく。 【事後学習(120分)】小レポートを振り返り、改善点を見つけておく。 |
第15回 | 総まとめと小レポートの推敲 【事前学習(120分)】小レポートをどう改善するか考えておく。 【事後学習(120分)】これまで学んだ内容の全貌を振り返り、自分なりに要点をまとめておく。 |
その他
教科書 | |
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参考書 |
楠見孝・道田泰司 『批判的思考 21世紀を生き抜くリテラシーの基盤』 新曜社 2015年
アン・トムソン 『論理のスキルアップ 実践的クリティカル・リーズニング入門』 春秋社 2008年
伊勢田哲治(他) 『科学技術をよく考える クリティカルシンキング練習帳』 名古屋大学出版会 2013年
野矢茂樹 『新版 論理トレーニング』 産業図書 2006年
野矢茂樹 『論理トレーニング101題』 産業図書 2001年
NHK『ロンリのちから』製作班 『ロンリのちから』 三笠書房 2015年
シャロン・ケイ、ポール・トムソン 『中学生からの対話する哲学教室』 玉川大学出版部 2012年
野矢茂樹 『大人のための国語ゼミ』 山川出版社 2017年
NHK『ロンリのちから』製作班(著)、野矢茂樹(監修) 『「ロンリ」の授業』 三笠書房 2019年
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成績評価の方法 及び基準 |
平常点:50% プレゼン:10% 小レポート:40% |
質問への対応 | 授業中や授業後に質問しそびれた人は、下記のオフィスアワーに質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台キャンパス・タワースコラ・S608研究室 船橋キャンパス・5号館・532研究室にて、12:30 – 13:10 shimamura.shuuhei@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:30 ~ 13:10
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学生への メッセージ |
批判的思考はとても汎用性の高い技能です。一人の市民として、あるいは専門知を身に付けた技術者・科学者として、批判的思考の力が求められる場面は様々に考えられます。それは、誰かの話をきちんと理解したいとき、自分自身や周囲の人や社会にとって大事な事柄について納得行くまで考えたいときなどです。批判的思考の訓練は一人でももちろんできますが、仲間と力を合わせて訓練することで、その効果を一層実感できるでしょう。この授業を通じて、普段とは少し違う、新しい頭の使い方をぜひ体験してみてください。 |