2019年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 教)発達と学習 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊藤 令枝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜6 水曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | X26C X35A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 乳幼児期から青年期にかけての発達や、行動を理解するための学習について、基礎的な理論やメカニズムを理解する。また、人間は社会との関わりの中で発達することを理解する。 自分自身の発達過程を顧み、自己と真摯に向き合う姿勢を身につける。 以上を踏まえた上で、学校教育に関する基礎的な理論や考え方を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式とし、パワーポイントによる提示と板書を併用する。 毎回、授業内容に応じた資料(インデックス程度)を配布する。 |
履修条件 | 教養教育科目で心理学2科目を受講済みであることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 教育心理学へのアプローチ -「発達」と「学習」の概念とその理解、履修するうえでの心構え、学習の進め方 【事前学習】教職課程の手引きを熟読し、「発達と学習」の履修計画を検討する。(1時間) 【事後学習】シラバスを確認して、自分自身の現在の「こころ」の状態を整理する。(3時間) |
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第2回 | 教育心理学研究 -教育心理学の成立と展開、人間の発達における遺伝要因と環境要因 【事前学習】教科書の中で、教育心理学の歴史に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】生得説と経験説のそれぞれの特徴や限界について考察する。(2時間) |
第3回 | 発達の理論 -遺伝と環境との輻輳と相互作用、成熟優位説と学習優位説、発達段階と発達課題 【事前学習】教科書の中で、輻輳説と相互作用説、発達段階に関する箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】各発達段階で解決すべき発達課題を考える。また、早期教育の利点と欠点について考察する。(3時間) |
第4回 | 発達の諸側面(1) -発達の原理、発達における臨界期、身体と運動機能の発達、発達加速現象 【事前学習】教科書の中で、発達理論に関する箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】乳児の原始反射を観察し、また、自分自身の身体的な発達過程をふりかえる。(3時間) |
第5回 | 発達の諸側面(2) -言語機能の獲得と発達、知覚・認知の発達、ピアジェの認知発達理論 【事前学習】教科書の中で、言語発達とピアジェの発達理論に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】乳幼児期から児童期にかけての子どもの言語的・認知的特徴を観察する。(2時間) |
第6回 | 発達の諸側面(3) -社会性の発達、母子相互作用と愛着、三項関係と共同注意 【事前学習】教科書の中で、社会性の発達に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】乳幼児に対して過度に携帯端末を与えることの危険性について考察する。(2時間) |
第7回 | 発達の諸側面(4) -「心の理論」、児童期の対人関係とギャング・エイジ、青年の身体と情緒 【事前学習】「サリーとアンの課題」「ジョンとメアリの課題」等の誤信念課題に取り組み、その性質を理解する。(1時間) 【事後学習】児童期から青年期にかけての、自分自身の友人関係をふりかえる。(3時間) |
第8回 | 発達の諸側面(5) -青年期におけるアイデンティティの確立とアイデンティティ拡散(混乱)、モラトリアム、青年期の対人関係 【事前学習】教科書の中で、エリクソンのアイデンティティ理論の箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】自分自身の中高生期のこころの状態についてふりかえる。(3時間) |
第9回 | 学習理論 -古典的条件づけとオペラント条件づけ、強化と弱化、潜在学習、観察学習 【事前学習】教科書の中で、学習理論に関する箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】各学習理論を日常生活から具体的に考え、また、体罰が何故いけないか考察する。(3時間) |
第10回 | 学習への動機づけ(1) -試行錯誤と洞察、動機づけ理論と学習への意識、学習性無力感 【事前学習】教科書の中で、動機づけ理論と帰属理論に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】自分自身の勉学に対する姿勢をふりかえり、教育場面での動機づけについて考察する。(2時間) |
第11回 | 学習への動機づけ(2) -帰属理論、教室での学習支援、教師主導型・学習者参加型授業、学習指導形態、グループ学習 【事前学習】ブレーン・ストーミングやバズ学習など、グループ学習の代表的な方法について調べる。(2時間) 【事後学習】教師主導型と学習者参加型の学習指導について、それぞれの特徴を考察する。(2時間) |
第12回 | 授業過程と学習 -有意味受容学習、プログラム学習、発見学習、実験授業的手法 【事前学習】教科書の中で、授業理論に関する箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】各授業理論の特徴を整理するとともに、学習をより有意味なものにする教育について検討する。(3時間) |
第13回 | 教育評価 -教育評価とその信頼性、学力評価の方法、絶対評価と相対評価、ピグマリオン効果 【事前学習】教科書の中で、教育評価・学力評価に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】学力評価に影響を与える対人認知バイアスについて具体的に考察する。(2時間) |
第14回 | 個性と教育 -知能に関する理論とモデル、知能検査、パーソナリティの理解と測定方法 【事前学習】教科書の中で、知能検査に関する箇所を熟読する。(2時間) 【事後学習】教科書の中で、性格検査に関する箇所を熟読する。(2時間) |
第15回 | 学級 -学級集団の構造、学級集団を理解する方法、教師の役割とリーダーシップ、PM理論 【事前学習】教科書の中で、リーダーシップ理論に関する箇所を熟読する。(1時間) 【事後学習】全15回の授業を通して学習した教育心理学者とその理論を整理する。(3時間) |
その他
教科書 |
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子(編) 『新 発達と教育の心理学』 福村出版 2013年
内藤佳津雄・北村世都・市川優一郎(編) 『発達と学習』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2015年
和田万紀(編) 『教育心理学』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2014年
いずれか1冊を購入し、日々の学習に活用すること。
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参考書 |
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子・市川優一郎(編) 『こころの発達によりそう教育相談』 福村出版 2018年
ヨシタケシンスケ(絵・文) 『ぼくのニセモノをつくるには』 ブロンズ新社 2014年
その他、授業中に適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(約20%)、授業内課題への取り組み状況(約20%)、定期試験(約60%)による総合評価とする。 なお、レポートと授業内課題については、授業内で解説する。 |
質問への対応 | 授業前後に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
授業前に船橋校舎講師室に在室している。 メールや電話等による問い合わせは一切不可とする。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
授業で取り上げる内容は、実際に教壇に立つ上で基礎となるものである。教科書やノートを活用して復習を心がけ、内容を十分に理解するよう努めてほしい。 しかし、与えられた学習内容や課題を指示通りにこなすだけでは、アクティブ・ラーニングにならないことに留意してほしい。自分自身の発達過程や経験を顧みながら、自分自身に真摯に向き合い、また、人間について理解を深めてほしい。 なお、授業に支障をきたすおそれがあるため、授業内容の写真撮影や録音録画等を禁止する。 |