2019年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 教)道徳教育の理論と方法 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 吉澤 良保 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y61A |
クラス | 一般教育 |
概要
学修到達目標 | 生徒に生きる喜びと勇気を抱かせる内容の資料を活用して、自らが人間の弱さやもろさと向き合い、人間としての在り方生き方を広い視野から多角的に考え、議論することができるようになる指導法、また、生徒の体験的活動や他の教科、特別活動、総合的な学習等との関連を図りながら人生を考え、自らの在り方生き方を修正することが可能な判断力、心情、実践意欲と態度を形成する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業では、道徳教育の意義と学習指導理論の紹介と説明を通して、その指導方法・技術等、教師に求められる資質や力量を培うことをねらいとする。道徳教育の歴史を踏まえ、道徳教育を意図的計画的に行うことについての理解を深めた上で、学習指導要領に基づいて実施する道徳科授業における指導法を学修する。加えて、課題に対する検討と協議の仕方を実践的に学修する。 |
履修条件 | 小学校中学校段階で学修した「道徳の時間」の学習について過去の「副読本」を収集し、「こんな事柄」を学習したのか、という心情を抱くことを期待する。「道徳は教えることができない」という独りよがりな主張を唱える人々の存在に関心を払うことも必要な態度である。 |
授業計画
第1回 | 平成31年度から新たに誕生する「特別の教科 道徳」(道徳科)は何をどのように学習する教科なのかについて配付資料を基に説明する。加えて、道徳科の成立過程について昭和33年以降から現在に至る「道徳の時間」との比較説明を行う。 |
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第2回 | 前回に引き続き、「特別の教科 道徳」(道徳科)における教科書の使用の有意味性、評価方法、学習過程で重視する考え、議論するための「授業形態の工夫」について説明する。加えて、配付資料を基に「22の道徳の内容項目」の意味と年間指導計画の必要性について説明する。 |
第3回 | 道徳授業の指導法で昭和33年以降、勝部真長、青木孝頼らが開発し提唱した学習指導理論についての配布資料を基に説明する。 |
第4回 | 配付資料を基に道徳授業では個人を社会化していくために要請される内面化と習慣化が大切な点を説明する。加えて、ZPD(最近接発達理論)にも言及し、第2,3回の内容を基に検討し協議確認する。 |
第5回 | 道徳科の学習指導案を作成する際に必要な基礎知識を確認する。道徳の内容項目を意図的計画的に行うのに必要な道徳教育の全体計画、道徳科の年間指導計画等を配付資料で確認する作業も併せて行う。 |
第6回 | 配付資料を基にローレンス・コールバーグの道徳性発達理論の説明を行う。また模擬授業を実施する上で、受講者には「幸福」とは何をもって概念規定されるものなのか、について自ら考え、履修者同士で確認し協議する。 |
第7回 | 配付資料を基に道徳授業における「発問」をどのように作成し、生徒との質疑応答の過程で教師は道徳的内容に含まれる価値をいかに「補充・深化・統合」するのかについて説明する。その際、「発問」を自らが作成し、履修者同士で検証する。 |
第8回 | 配付資料をもとに道徳性の意味についての理解を深める学習指導案作成に向けての個人ワークを行う。加えて、持続可能な社会づくりについての説明を行う。 |
第9回 | 道徳科における評価の仕方について説明する。加えて、生徒の気づき、考え、議論の仕方、人間として在り方生き方への関心度をどのように教師が認識し、記録していけばよいかについて配付資料を使用して説明する。 |
第10回 | 配付資料を使用して(偶然の発見)(予想外の出会い)について説明する。また、指導過程における発問の設定と生徒との質疑応答の仕方について説明する。加えて「つながりを通して今までに無かった何かを生みだしていく」際の評価の大切さについて協議し確認する。 |
第11回 | 資料「二通の手紙」「手をつなごう」について学習指導案を作成し、模擬授業における役割演技を履修者同士で行い、自己点検評価を自らが行う。 |
第12回 | 資料を使用して考える道徳授業を展開するのに参考となる心の内に在る(憎悪)(嫉妬)(不安)(愛)(喜び)(悲しみ)(欲望)などの「想像力のピン」と形容詞、副詞表現に着目した指導過程の工夫について協議し検討する。 |
第13回 | 道徳授業の展開に参考となるアランの「幸福論」にみる「連帯」という発想について説明するとともに、デカルトのジェネロジテについて説明する。そして履修者同士で協議、検討する。 |
第14回 | 約束や社会のきまりを守る必要性は理解しても「偶然の出来事」で片隅によけられ、希薄化していく道徳教育の課題について資料を使用して説明する。その際、資料中に埋め込まれている「ささいな表現」にどう着目できるかが生徒の人間として在り方生き方に影響を与えるかについて自身の体験を基に説明する。 |
第15回 | 第1回から14回までの講義のポイントをノート、配布資料で説明する。確認テストを実施し、説明する。 |
その他
教科書 |
テキスト:道徳資料は授業中に配付する。
文部科学省「中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編」(平成29年7月)
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参考書 |
吉澤良保『人間理解と道徳教育』(日本文教出版、2007年)を一読すると授業の概略が俯瞰できる。
文部科学省「中学校学習指導要領」(平成29年3月)
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験(70%)リアクションペーパーの提出(10%)授業への参加度(20%)として総合評価する |
質問への対応 | 講義内容、配布資料で疑問に感じた点、より深化した内容等について期待については、授業中に回答する。リアクションペーパーへの記入の事柄は次回の授業の冒頭で回答する。 |
研究室又は 連絡先 |
第1回のオリエンテーションでメールアドレス、連絡先を伝達する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
道徳教育に対して漠然と抱く偏見を払拭するために、小学校中学校段階で使用した副読本や文科省の配布資料を収集し、一読することを推奨する。 |