2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 精密機械工学専攻
設置情報
科目名 | 応用数学Ⅱ | ||
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設置学科 | 精密機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山本 修一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G53B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 単振動,拡散,波動など動きが伴う現象の把握に微分方程式が本質的な役割を果たす。特に,重要でかつ解の挙動がわかりやすい,定数係数の2階線形微分方程式,定数係数の2階線形偏微分方程式のうち,1次元熱方程式,1次元波動方程式に限定し,数式処理ソフト マスマティカ のアニメーション機能で描かれる動画を用いて,解の挙動と合わせて微分方程式を理解する。解の挙動と一緒に微分方程式を理解するので微分方程式の即効的な応用力がつく。 |
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授業形態及び 授業方法 |
配布プリントを使用して,数式処理ソフト マスマティカ と板書を併用して講義を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予備知識:微分積分学Ⅰ,Ⅱ,線形代数学Ⅰ,Ⅱ および応用数学Ⅰ を履修していることが望ましい。 準備学習:毎回の授業において,次回の授業で使用するプリントを配布するので,その内容の理解に努めることが次回の授業の予習。復習はその日の授業で学んだ内容をより深めるために問題を提示するのでそれを解くこと。予習と復習の時間は合わせて240分。 |
授業計画
第1回 | 単位取得に関する事項や予習と復習の必要性の説明。さらに微分方程式の解で表現される現象(振動,拡散その他)を マスマティカ を用いて視覚的に概観する。 予習:これから学ぶ内容のキーワード(例えば,定数係数の2階線形微分方程式,電気回路と微分方程式,1次元拡散(熱)方程式,1次元波動方程式など)について,他の授業との関連性を調べたり,あるいはネット検索でおおよそを概観する。(240分) |
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第2回 | 微分方程式の解法Ⅰ:定数係数の2階線形微分方程式の一般解の求め方を学ぶ。 予習:第2回の授業プリントを予習する(120分) 復習:提示する2階の定数係数の線形微分方程式の一般解を計算する(配布プリント)(120分) |
第3回 | 微分方程式の解法Ⅱ:定数係数の2階線形微分方程式の特殊解(物理的な条件から解かれる解)について,典型的な例を通して係数の変化に伴う解の表現の変化と,そのときの解の挙動を視覚的に理解する。 予習:微分積分学の教科書にある双曲線関数(73ページ)を参照して第3回の授業のプリントを予習する(120分) 復習:提示する2階の定数係数の線形微分方程式の特殊解を計算する(120分) |
第4回 | 題2回,第3回で学んだことを,具体的に電気回路に対して適用し,解として表現される電流の挙動を観察しながら微分方程式の重要性を理解する。 予習:第3回の授業プリントを参照しながら第4回の授業プリントを予習(240分) |
第5回 | 簡単な微分方程式に対して差分近似解法を学び,微分(微分方程式)は先を予測する重要な概念であることを学ぶ。 予習:ネピアーの数(微分積分学の教科書65ページ)と行列の性質(線形代数学の教科書53ページ~59ページ)を参照して第5回の授業プリントを予習する(120分) 復習:提示する微分方程式を差分近似解法で解く(120分) |
第6回 | 一般の定数係数の線形微分方程式の解法に対して,基本的な解の性質,さらに固有値を用いて解を計算する方法と基本行列を活用する行列解として解く方法を学びその関連性を調べる。 予習:線形代数の教科書の固有値,固有ベクトル(132ページ~138ページ)を復習しながら第6回の授業プリントの予習をする。(120分) 復習:提示する微分方程式の解を固有値を用いる方法で計算する(120分) |
第7回 | 2変数の関数の定数係数の2階線形偏微分方程式について,定数係数,2階,線形の違いを明らかにしながら,定数係数の2階線形偏微分方程式の標準形(放物型,楕円型,双曲型)について学ぶ。 予習:微分積分学の教科書の合成関数の偏微分法(223ページ~237ページ)を復習しながら第7回の授業プリントの予習をする。(120分) 復習:提示した定数係数の2階線形偏微分方程式の標準形を求める。(120分) |
第8回 | 偏微分方程式の境界値問題:1次元拡散(熱)方程式や1次元波動方程式について,適当な境界条件,初期条件,初期速度条件を付けて得られる解が表現する式の挙動を動画で観察しながら偏微分方程式を理解する。 予習:第8回の授業プリントの予習をする。(120分) 復習:提示する2階線形偏微分方程式の解を求める。(120分) |
第9回 | 1次元拡散(熱)方程式について,差分近似解法を適用する解法を学び,偏微分方程式を解く意味と境界条件の必要性を理解する。 予習:第9回の授業プリントの予習をする。(120分) 復習:提示する熱方程式の解を求める。(120分) |
第10回 | 第9回の授業で扱った拡散方程式に対して,フーリエ級数展開を用いた解法を学び,第9回の内容と比較してその解法の違いを明らかにする。 予習:応用数学Ⅰで配布したフーリエ級数展開に関するプリントを参考にして,第10回の授業プリントの予習をする。(120分) 復習:配布プリントで提示した方法で熱方程式の解を求める。(120分) |
第11回 | 第10回で学んだ拡散方程式の解法について,さらに各自,自分の手で解を計算する。さらに,計算して得られた解に対してその挙動を実際に動画を通して観察することで拡散方程式の理解をさらに深める。 予習:提示する熱方程式の解を求める(配布プリント)(240分) |
第12回 | 1次元波動方程式(初期条件,初期速度が微分可能な場合)のダランベールの公式や,振動の方程式のフーリエ級数展開を活用する方法を学び,その解の挙動がどのような仕組みで得られるのかを観察しながらこれら解について理解(例えば,初期速度の影響が解にどのように影響するかなど)を深める。 予習:第12回の授業プリントを予習する。(120分) 復習:提示する波動方程式の解を求める。(120分) |
第13回 | 振動の方程式(初期条件や初期速度が不連続な場合)における広義解の概念を学び,フーリエ級数展開を活用して得られる形式解と,ダランベールの公式を利用する解との適合性を視覚的に学び,その解の挙動を深める。 予習:第13回の授業プリントを予習する。(240分) |
第14回 | 初期速度がある波動現象の理解を マスマティカ の描く動画を通して深める。ここで,レポート課題を示す。 復習:レポートで提出された問題を解く(480分) |
第15回 | レポート課題を回収する。その後,レポート課題に対する解答を通して課題の内容を動画を通して観察し,理解をさらに深める。 予習:レポートで提出された問題を解く(480分) |
その他
教科書 |
特に使用しない
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
ドナルド・A・マックォーリ 『偏微分方程式』 数学大全 講談社サイエンティフィク 2010年 第初版
E. クライツィヒ 『フーリエ解析と偏微分方程式』 技術者のための高等数学3 培風館 2007年 第8版
上の参考資料については,さらに深く理解するために利用してほしい。
なお,この授業の予習で学部1年で使用した教科書
微分積分(矢野・石原編,裳華房),新線形代数(大日本図書)
を利用する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート課題(提出することが単位取得のための必要条件)で 70 %,平常点(予習・復習など,授業に対する取り組み状況)を 30 % の割合で,GPA制度の基準に従って合否および優劣を総合的に評価する。 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合,質問内容を整理し授業終了後に質問すること。 |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:syama@penta.ge.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 船橋 14:50 ~ 15:20 14号館一階講師室
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学生への メッセージ |
レポート課題は第15回の授業開始に提出すること。 |