2019年 大学院理工学研究科 シラバス - 電子工学専攻
設置情報
科目名 |
電子工学特別講義
民間企業トップマネージメントが実践してきた技術経営
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設置学科 | 電子工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 中川・山本 他 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | J55A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 将来ますます進化が見込まれる高度技術社会では,技術活用の成否が社会の発展や企業の盛衰に大きな影響を与える. 将来、受講生が企業において信頼される指導的技術者として活躍するために、大学院生として学修する今、技術的並びに経営的センスを磨き、涵養することを目標とする. |
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授業形態及び 授業方法 |
本講義では,技術に対する幅広い知見と経営者としての豊富な経験を有する講師陣が,長年にわたる実体験を通じて培ってきた見識をもとに,技術を活かした経営の真髄を論じる. また,提案されるテーマに基づき,2回にわたり,受講者全員による総合討論を行いながら,実践的ケーススタディを通して講義内容の理解を深める. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
理系大学生として、各々の修得した専門基礎知識(専門分野は問わない)を体系的に理解しておくこと. |
授業計画
第1回 | オリエンテーション --技術系学生の世界観を広げる-- 本講義のスタートにあたり、講義の概要を説明し、本授業の目的を明らかにする. さらに、将来の社会を担う技術系学生に求められる人間像と技術経営について語る. 中川活二 教授 山本寛 特任教授 |
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第2回 | 「社会情報システムの変遷と今後の展望」 電力、ガス、上下水道、道路、ダム、ビル、鉄道等幅広い分野の社会インフラを支える情報通信システム構築経験を元に、システムの変遷と今後の展望について語る. 岡野 勝 (元)名菱電子株式会社 代表取締役社長 |
第3回 | 「エネルギーシステムの変遷と再生可能エネルギー普及への課題」 日本の産業発展とエネルギー関連技術開発や製造業の省エネの姿を概観し、今後の再生可能エネルギーの普及に向けて、技術と社会の課題やビジネス機会を考える. 黒坂俊雄 (元)神鋼リサーチ株式会社 代表取締役社長 |
第4回 | 「グローバル時代の技術開発戦略」 グローバル競争の中で優れた技術を持つことは重要だが、それだけでは勝てない. リーダーシップを持った仲間づくり、標準化、技術連携戦略をどう進めるか語る. 正村達郎 (元)日本無線株式会社 取締役 研究開発統括 |
第5回 | 「情報通信ビジネスの動向と企業人の在り方」 電気通信サービスについて、その歴史と産業の成り立ち、発展状況について紹介し、クラウドサービス、人工知能、IoTなど最近の動向、今後の発展の方向について語る. 海野 忍 NTTコムウエア株式会社 相談役 |
第6回 | 「情報通信政策の今昔と今後の展望」 かつて国内の通信サービスは国営・公社により独占体制で営まれてきたが、1985年に民営化された. 昨今競争が不十分であり携帯料金が高すぎるという指摘があるが、その背景と今後について考える. 寺崎 明 (元)総務審議官 (総務省) |
第7回 | 「宇宙国際プロジェクトに学ぶ『全員の力』」 宇宙国際プロジェクトを題材に、国家・組織・人が何を担い、様々な課題にどう対処し実現させたかを経営視点で語る. 山浦雄一 (元)宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事・執行役 |
第8回 | グループディスカッション 前半の講義について、特定のテーマを取り上げ、受講生と講師との間で質疑応答しながら、グループごとに総合的に討論する. 岡野 勝、黒坂俊雄、正村達郎、海野 忍、寺崎 明、山浦雄一、山本 寛、中川活二がコーデイネーター |
第9回 | 「実践的開発プロジェクトマネジメント」 多くの人・ステークホルダーが関わるシステム(ハード、ソフト)開発プロジェクトの運営における実践的な開発マネージメントの視点を語る. 井上 保 (元)株式会社富士通テレコムネットワークス代表取締役社長 |
第10回 | 「通信と放送が融合したモバイル向け放送事業の立ち上げとその後」 通信事業者と放送事業者が手を組んだ世界でも珍しいスマホ向けマルチメデイア放送「NOTTV」という放送事業の立ち上げとその後を語る. 二木治成 (元)株式会社NTTドコモ取締役常務執行役員 |
第11回 | 「新事業ベンチャーのあり方」 大企業における社内ベンチャーの経験を経て、日本における新事業インキュベーションの推進方策、ベンチャー経営者の心構えと経営戦略のあり方を考える. 木下泰三 (元)(株)日立製作所サービス・プラットフォーム事業本部 事業主管 |
第12回 | 「通信サービス事業、製造業をモデルとして、グローバル時代の技術者の役割を考える」 今日、国内事業であっても海外企業との関わりなしでは成立しない. こうした時代に、どのような視点でプロジェクトを運営していけばよいか、事例と共に考える. 西郷英敏 (元)沖電気工業株式会社常務執行役員 |
第13回 | 「事業経営の現場」 戦略はとともに重要なのがその実行であり、危機対応を含め日々変化する状況下で速断を求められるのが経営の現場. キーとなる経営的発想は何かを考える. 中村房芳 (元)株式会社IHI代表取締役副社長 |
第14回 | 「経営と品質」 品質問題が経営を左右する事例が多くみられる。もの作り事業において品質、納期、コストは重要な3要素であるが、品質を最上位に置くことが経営において重要である. 事業経験に基づき経営と品質の現場について述べる. 北山忠善 (元)三菱プレシジョン株式会社社長 |
第15回 | グループディスカッション 後半の講義について、特定のテーマを取り上げ、受講生と講師の間で質疑応答しながら、グループごとに総合的に討論する. 井上 保、二木治成、木下泰三、西郷英敏、中村房芳、北山忠善、山本 寛、中川活二がコーデイネーター |
その他
教科書 |
特定のテキストは使用しない。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
講義資料となるパワーポイント図面等は原則として1週間前に教室にて事前配布する.
必要に応じて、資料を配布することもある.
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成績評価の方法 及び基準 |
関心を持ったテーマに関する小論文を提出してもらい、複数の担当講師によってレポート点として評価する。(評価全体の40%) グループディスカッションにおけるプレゼンテーションや貢献度を平常点として評価する。また、各講義の終了後、毎回コーディネーター宛にメール提出してもらう課題(講義の概要、疑問点、問題提起、感想など、A4版1枚程度)も平常点として評価に加える.(評価全体の60%) |
質問への対応 | 随時、教室において受け付ける。 担当講師への質問はメール(c.c. コーディネーター(山本寛)) にても受け付ける. 回答は本人宛に担当講師からメールにて行う. |
研究室又は 連絡先 |
山本寛(駿河台校舎タワースコラ電子工学科共通研究室あるいは船橋校舎量子科学研究所電子線利用研究施設) E-mail: yamamoto.hiroshi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 15:30 ~ 16:30 場所:駿河台タワー・スコラ講師室 担当:山本教授
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学生への メッセージ |
「技術経営者への道」と銘打った本講義の講師陣は理系民間企業トップマネージメントを実践してきた方々であり、その豊富な経験と知恵を汲み取る好機として受講していただきたい. 特に、本講義は理工学研究科において専攻をこえた枠組みの中で開講されるものである. その意味においても、電子工学専攻以外の大学院生が積極的に受講することを希望している. |