2020年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 |
海洋建築材料
海洋環境下の材料技術
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設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 小林(昭)・三五 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D23B |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 建築構造及び材料Ⅰ・Ⅱ,材料化学で学んだ事項を応用し,材料の化学的性質を考えた耐久性向上技術が修得でき,海洋構造物の計画,設計,施工において適切な材料を選定するための基礎知識が修得できる。 本科目の学修を通して,日本大学教育憲章の「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」能力のうちの「豊かな知識・教養を基に倫理観を高めることができる」能力と,「自ら考える」能力のうちの「得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる」能力と「事象を注意深く観察して問題を発見し,解決策を提案することができる」能力を養うことができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
本科目では,様々な海洋環境下での海洋構造物の材料の劣化とその要因,耐久性向上技術を学修する。海洋構造物の設計実務における経験に基づき,建設材料の選定および耐久性向上に関する重要事項について授業を行う。 授業形態はパワーポイントのスライド表示や板書を用いて解説する対面式授業。 授業資料はmoodleから配布される。または、必要に応じてプリントを配布する。 第1回及び第9回~15回:小林,第1回~8回:三五 |
履修条件 | 建築構造及び材料Ⅰ・Ⅱの知識を有することが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス: 授業計画・他の科目との関連 |
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第2回 | 【テーマ】セメントの性能を左右する因子;セメントの化学的性質 【目標】海洋建築物の主要材料であるコンクリートに着目し,これを構成するセメントの種類と性質を理解する。さらに,セメントの性能を作用する因子に関する基礎知識を修得する。 【学修項目】セメントの定義と種類,各種セメントの特徴,セメントの性能を左右する因子 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第3回 | 【テーマ】コンクリートの性能を左右する因子;コンクリートの物理的性質に及ぼすセメント,水および骨材の影響 【目標】コンクリートを構成するセメント,水および骨材に着目し,それらの種類・性質がコンクリートに及ぼす影響を理解し,材料調製に必要な基礎知識を修得する。 【学修項目】フレッシュコンクリート/硬化コンクリートの性能を左右する因子,骨材の種類 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第4回 | 【テーマ】セメントやコンクリートの性質を変える材料;混和材と混和剤 【目標】セメントやコンクリートに混合して用いる混和剤および混和材の種類と添加効果を理解し,材料設計に必要な基礎知識を修得する。 【学修項目】混和剤と混和材の違い,混和剤の種類と効能,混和材の種類と効能 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第5回 | 【テーマ】鉄筋コンクリートの耐久性;材料自身や周辺環境から発症する劣化 【目標】鉄筋コンクリートが外部環境から受ける影響を理解し,劣化メカニズムおよび対策法に関する基礎知識を修得する。 【学修項目】中性化,塩害,凍結融解(凍害),アルカリ骨材反応,化学的浸食 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第6回 | 【テーマ】鋼の製造法と鋼材料の性質;鋼材の化学的性質 【目標】鋼構造物に使用される鋼の製造法から鋼の化学組成による分類までを学修し,鋼材料を建設材料として用いることの利点および欠点などの基礎知識を修得する。 【学修項目】鋼の製造法,鋼の化学組成による分類,鋼材料の利点と欠点,鋼の物理的性質 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第7回 | 【テーマ】鋼材料の耐久性;材料自体や周辺環境から発症する劣化(腐食) 【目標】鋼材料が海洋環境から受ける影響を理解し,金属腐食のメカニズムを電気化学的観点から学修する。 【学修項目】金属腐食の種類とメカニズム,鉄の腐食におけるアノード反応とカソード反応,鋼材の大気腐食と海水腐食 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(2時間) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(2時間) |
第8回 | 【テーマ】海洋建築材料の化学的性質と耐久性に関する理解度確認および解説 【目標】理解度確認問題で第1回から7回までの知識を確認するための試験を行う. 【事前学修】第1回から7回までの学修範囲のmoodle配布資料と授業ノートで知識を整理すること(2時間). 【事後学習】理解度確認問題とその周辺知識を再度復習すること(2時間). |
第9回 | 【テーマ】海洋環境と建築材料 【目標】海洋建築物が海洋環境から受ける影響を理解し,設計に必要な環境作用と材料の関係の基礎知識を修得する。 【学修項目】海洋特有の環境作用,海洋環境区分,区分ごとの建築材料への影響 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第10回 | 【テーマ】鉄筋コンクリート構造物の耐久性向上技術 【目標】海洋環境下での耐久性向上のために選択すべき材料の種類を理解し,対策技術を修得する。 【学修項目】材料の選択による耐久性向上,外部からの劣化要因の抑制による耐久性向上,調合による耐久性向上 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第11回 | 【テーマ】鉄筋コンクリート構造物の維持管理 【目標】耐久性向上に必要な維持管理の基本事項を修得する。 【学修項目】点検から補修までの流れ,点検・調査と診断,非破壊検査,判断と補修方針,劣化部の補修方法,電位的な保守方法 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第12回 | 【テーマ】建設材料と環境問題 【目標】環境問題の解決に向けたコンクリート材料の利用,コンクリート工事による海洋環境影響とその防止方法を修得する 【学修項目】環境改善とコンクリート製品,コンクリート資源廃材の再利用,要求性能に配慮した新たなコンクリート材用,コンクリート工事と環境影響 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第13回 | 【テーマ】鉄骨構造物の耐久性向上技術 【目標】海洋環境下での耐久性向上のために,鋼材の基本的性質を理解し,対策技術を修得する。 【学修項目】鋼材の特徴,外部からの劣化要因の抑制による耐久性向上 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第14回 | 【テーマ】耐久性向上技術の総括 【目標】鉄筋コンクリート構造物への塩分浸透の調査結果と予測計算方法を修得するとともに,鉄筋コンクリート構造と鋼構造の耐久性向上に関する技術の現状を総括する。 【学修項目】塩分の浸透と拡散,拡散方程式の解の計算,エクセルによる浸透予測,耐久性向上技術の総括 【事前学修】moodleの配布資料と参考資料をよく読むこと(120分) 【事後学習】パワーポイントのコピーとノートを用いて知識を整理すること(120分) |
第15回 | 【テーマ】海洋建築材料の耐久性向上技術に関する理解度確認試験および解説 【目標】海洋建築物に使用する材料の耐久性向上技術に関する知識を理解するための基礎事項のまとめ 【内容】理解度確認問題で知識を確認し(60分),その解答を教科書や学修ノートを使って復習する(30分)。 【事前学修】14回までの学修範囲のmoodle配布資料と参考資料で知識を整理すること(120分) 【事後学習】理解度確認問題とその周辺知識を再度復習すること(120分) |
その他
教科書 |
印刷教材としてMoodleに資料を掲示します。
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参考書 |
『コンクリート名人養成講座』 日経BP出版 2001年
橘高義典・杉山央 『建築材料』 市谷出版 2003年
(社)プレストレスト・コンクリート建設技術協会 『海洋コンクリート構造物の防食Q&A』 技報堂出版 2004年 第1版
(社)鋼材倶楽部 『海洋鋼構造物の防食Q&A』 技報堂出版 2001年 第1版
前田久明,近藤健雄,増田光一 『海と海洋建築』 成山堂書店 2006年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
2回の理解度確認テスト(50点満点)の合計点で評価する。 第8回目と15回目の理解度確認試験を両方受験しないと成績は付きません。 第8回目の理解度確認試験を受験できなかった学生は,直ぐに三五教授に連絡しましょう。 2019年度の成績分布 S:8%,A:16%,B:22%,C:39% |
質問への対応 | 授業中に理解できなかった事項がある場合は,授業後に質問内容を整理して,オフィースアワーで質問しましょう。 |
研究室又は 連絡先 |
教授 三五 弘之 三五研究室 8号館2階822室 sango.hiroyuki@*** 教授 小林 昭男 沿岸域工学研究室 13号館3階1335室 kobayashi.akio@*** |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:10 ~ 13:20 三五教授のオフィースアワー
月曜 船橋 16:40 ~ 18:10 小林教授のオフィースアワーは毎日5時限
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学生への メッセージ |
建設材料は構造物の性能の良否を左右します.この授業で「材料の達人」になりましょう。 ただし,受講態度が悪い学生は退室させ,受講を中止させることがあります。 第8回目の理解度確認試験を受験できなかった学生は,直ぐに三五教授に連絡しましょう。8回目と15回目の理解度確認試験を両方受けないと成績が付きません。 |